1995年の4月に,当時和田憲造教授が主宰しておられた「機械工学科・システム制御工学研究室」に助手として着任して以来,27年が経過しました.当研究室の歴史は,山口大学工学部に生産機械工学科が設置されていた時代にまでさかのぼり,当研究室が生産機械工学科の第三講座であったことから,研究室には,「三講会」という名称のOB会も存在していました。
それから月日が流れ,コロナ禍の3年を経て,コロナ前の日常への回帰への光が見える中,本講座の教授を拝命することとなりました.当講座で教員として研鑽を積ませて頂く間に,社会情勢は大きく変化し,技術の進展も目を見張るものがあると考えられます.当研究室の研究対象である,「機械システムの制御」では,制御理論の進展よる知に集積に加え,情報分野の一部の技法も,包含すべき知の要素となる時代となりました。
日常生活も含め、多数の要素知は様々なものの利便性を向上させますが、一ターゲットへの統合的利用を考えますと,逆に混沌が増したともいえる状況かと思います.
当研究室では,そのような混沌を,整理・統合 (integrate) された知に変換し個別の対象に還元する「システム・インテグレーション」を活動の柱と考え,活動を進めてまいります.その一環として,企業様が抱えておられる諸問題の解決のお手伝いも重要な社会貢献として積極的に取り組んでまいります.
また,5年ほど前からご一緒させて頂いております、山口大学大学院医学系研究科・放射線腫瘍学講座の先生方との共同研究も,工学の知見を放射線治療技術の向上に貢献させて頂くことのできる重要な課題と位置づけ,今後も活動を共にしてまいります.
今後とも,山口大学工学部機械工学科・機械システム制御工学研究室をよろしくお願いいたします。
機械システム制御工学研究室 教授 藤井文武