「情報リテラシー演習」 第4回 講義ノート


1. Excel の基本操作
1.1. ファイルの作成と保存
・ Microsoft Office Excel 2013(以下Excel )を起動する。
・ 「情報リテラシー」-「excel_files」のフォルダーに、「2015_05_13」というファイル名で保存する。
【注意】(Excelファイルの拡張子は、Office2003以前は 「.xls」、Office2007以降では「.xlsx」となる。
Office2003以前のバージョンでファイルを開く可能性がある場合は、「.xls」形式で保存する。 

1.2. 用語
・ ブック(Book): Excelではファイルのことを「ブック」という。
・ シート(Sheet): 「ブック」は複数の「シート」から構成される。シートの名前はExcelのウィンドウの下部に「Sheet1」、「Sheet2」のように表示されている。初期状態のブックは、3つのシートで構成される。
   
・ セル: Excelのシートは格子状のマス目「セル」で構成されており、それぞれのセルは、
          列: アルファベットの列(A, B,・・・, Z, AA, AB, ・・・, ZZ, AAA, AAB, ・・・)
          行: 自然数の列(1, 2, ・・・)
      というアドレスによって、「B5」、「AAB123」などのように参照される。


・ アクティブセル: セルを選択すると、太枠で囲まれそのセルが「アクティブセル」となる。
・ オートフィル: 一定の規則で自動的に値や関数をセルに入力できる機能。
・ 関数: セルに「= ○○」とすると 計算式を入力することができる。

1.3. 直接入力の基本操作
・ セルをアクティブにして入力を開始する。
・ 数値は半角で入力する。
・ [Enter]キーを押すとアクティブセルは下に移る。([Shift] + [Enter]では上に移る)
・ [Tab]キーを押すとアクティブセルは右に移る。([Shift] + [Tab]では左に移る)
・ カーソルキー(矢印)での移動も可能。
・ セル内での改行は、 [Alt] + [Enter] で行う。
・ セルの書式は、「ホーム」内のアイコンや、アクティブセル上で「右クリック」 -> 「セルの書式設定」から変更できる。
・ 複数のセルをアクティブにした場合、次のような連続入力が可能。

(押したキー: [1] [Enter] [2] [Enter] [3] [Enter] [4] [Enter] [5] [Enter] [6] [Enter] [7] [Enter] [8] [Enter] [9])

【演習問題 1.2】 次の入力を行え



1.4. 計算式(1)
セル内で最初に 「=」 を入れると計算式を作成できる。

【例】  「=1+2+3+4+5」と入力して[Enter]キーを押すと「1+2+3+4+5」の値を計算できる。
Excel のセル内で計算式として使える演算子や関数は次のようなものがある。

算術演算子

+ 足し算

-

引き算

*

掛け算

/

割り算

^

べき乗


関数の例

SIN(x) sin x COS(x) cos x TAN(x) tan x
ASIN(x) sin-1 x ACOS(x) cos-1 x ATAN(x) tan-1 x
LN(x) loge x LOG(x) log10 x EXP(x) ex
FACT(x) x ! (x の階乗) ABS(x) | x | (絶対値) SQRT(x) √x
INT(x) 小数 x の整数部分 MOD(x,y) x を y で割った余り QUOTIENT(x,y) x を y で割った商の整数部分
PI() π (円周率) RAND() 0以上1未満の乱数    


【注意】

(1) 関数は半角の大文字で入力する。(小文字を使っても勝手に大文字に変換されるが・・・)
(2) 三角関数の変数の単位はラジアン


以下の演習問題は次のファイルをダウンロードしてそれに書き込め。
exer4.xlsx

【演習問題 1.3】 次の値を計算せよ。
 (1) 2の10乗
 (2) 5の-5乗
 (3) 3の平方根
 (4) 2の立方根
 (5) 半径10の球の体積
 (6) 2次方程式 「2x+ 3x - 5 = 0」の解(小数で)
 (7) cos π
 (8) sin 60°
 (9) 10の階乗
(10) 2の100乗を10進数で表現した時の桁数
(11) 1234567を123で割った時の商と余り
(12) 0以上9以下のランダムな整数
(13) 0以上10以下のランダムな整数


1.5. 計算式(2)
統計処理のための 次のような関数もある。

SUM(a,b,,z) a, b, …, z の和
PRODUCT(a,b,,z) a, b, …, z の積
AVERAGE(a,b,,z) a, b, …, z の平均値
MAX(a,b,,z) a, b, …, z の最大値
MIN(a,b,,z) a, b, …, z の最小値
COUNT(a,b,,z) a, b, …, z の個数
STDEV(a,b,,z) a, b, …, z の標準偏差
VAR(a,b,,z) a, b, …, z の分散


【演習問題 1.4】 1から10までの整数の和と平均値を計算せよ。


1.6. セルの参照
セルに入力された値や関数等は、そのセルのアドレスで参照することができる。
下のように「A1」「A2」にそれぞれ「1」「2」が入力されているとする。
このとき、「B1」に「=A1+A2」を入力すると、「B1」に「1+2」の計算結果が表示される。



このとき、「B1」の値は「1+2」ではなく、参照している「A1」と「A2」の値の和なので、これらのセルの値を書き換えると「B1」のセルの値もそれに応じて変化する。
長方形領域にある複数のセル(下では { }に囲まれたセル)は、次の「 」 内の記述によって参照することができる。
・ {A3, A4, …, A10} --> 「A3:A10」
・ {A3, …, A10, B3, …, B10, C3, …, C10} --> 「A3:C10」

【例1】 A1 から A10 のセルに順番に「1から10までの整数」が入力されている場合、これらの和や平均はそれぞれ
「=SUM(A1:A10)」
「=AVERAGE(A1:A10)」
によって計算できる。

【例2】 参照したセルを更に参照することによって、「初項1、公差2の等差数列」を、セルA1, A2, … 上に次のように表すことができる。
「A1」に初項「1」を入力する
「A2」には第2項として、初項「A1」に2加えた「A1+2」を入力する。
「A3」には第3項として、初項「A2」に2加えた「A2+2」を入力する。
以下、この操作を続ける。

【演習問題 1.5】
(1) A1からA50のセルに順に5から54までの数を入れよ。
(2) A1からA50の和、平均、最大値、個数、分散を求めよ。


1.7. セルのコピー
アドレスの参照があるセルを別なセルにコピーした場合、コピーされたセルが参照するアドレスは相対的に変化する。
(これを「相対参照」という。)正確には、
セルのアドレスと参照するアドレスの位置関係は、セルのコピーによって変化しない。
というルールがある。
例えば、
・ コピー元のセルのアドレス: C8
・ コピー元のセル中で参照しているアドレス: F6 (コピー元のセルのアドレスから見て 「+3列」、「-2行」)
・ コピー先のセルのアドレス: E11
--> コピー先のセル中で参照しているアドレス: H9 (E11 から見て 「+3列」、「-2行」)
というように変化する。

セルの参照するアドレスの行、または列の前に「$」記号を入れると、その参照アドレスはコピーによって変化しない。
(これを「絶対参照」という。)
例えば、
・ コピー元のセルのアドレス: C8
・ コピー元のセル中で参照しているアドレス: F$6
(列はコピー元のセルのアドレスから見て 「+3列」だが、行は絶対参照なので、コピー元のアドレスとは無関係に「6行」とみなされる)
・ コピー先のセルのアドレス: E11
--> コピー先のセル中で参照しているアドレス: H6 (列は「E11」から見て 「+3」、列は変化せずに「6」
というように変化する。

【演習問題 1.6】
次の操作を行え。
(1) A1からA10のセルに順番に1〜10までの数字を入力する。
(2) B1に「=A1+A2」と入力し、このセルをB2からB9のセルにコピーする。
(3) C1に「=A$1+A2」と入力し、このセルをC2からC9のセルにコピーする。
(4) D1に「=A$1+A$2」と入力し、このセルをD2からD9のセルにコピーする。
(5) A16からE20のセルに、九九の5の段までを入力する。
(6) G16に「=A16」と入力し、このセルをH16からK16のセルにコピーする。
(7) G17に「=A$16」と入力し、このセルをH16からK16のセルにコピーする。
(8) G18に「=$A16」と入力し、このセルをH16からK16のセルにコピーする。
(9) A22のセルに九九の5の段までの和を入力せよ。
(10) A23のセルに九九の5の段までの平均値を入力せよ。


2. 本日の課題
「exer4.xlsx」シート上で次の問いに答えよ。(できるだけ効果的に「相対参照」を用いること。)
【問1】
(1) A2-A21のセルに、1から20までの整数を順番に入力せよ。
(2) 初項が-3、第20項が30の等差数列を {bn} とする。b1, …, b20 を B2-B21に入力せよ。
(3) 初項が1、公差1の等差数列の第n項までの和を cn とるす。c1, …, c20 を C2-C21に入力せよ。
(4) (3)で与えた数列 {cn} の第n項までの和を dn とるす。d1, …, d20 を D2-D21に入力せよ。
(5) 初項が1、公比1/2の等比数列の第n項までの和を en とるす。e1, …, e20 を E2-E21に入力せよ。
(6) fn=1/n2とする。f1, f2, …, f20 を F2-F21に入力せよ。
(7) (6)で与えた数列 {fn} の第n項までの和を gn とし、hn=(6gn)1/2 とする。h1, …, h20 を H2-H21に入力せよ。
(8) 「jn+2=jn+1+jn (n≧1) j1=1, j2=1」で与えられる数列(フィボナッチ数列)の第1〜20項をI2-I21に入力せよ。

【問2】 A24-U44のセルを使い、20段までの9×9の表を作れ。

【問3】 問3のシートのA1からL20に入力された240個のデータの「平均」、「最大値」、「最小値」、「標準偏差」を計算せよ。
問題のシートがダウンロードできない場合には下のデータをコピーし、エクセルのシートに貼り付けよ。

68 52 25 39 34 13 27 67 50 55 70 18
58 68 45 51 39 57 34 83 56 15 37 23
71 33 64 33 56 35 6 43 48 68 64 42
43 91 38 20 21 19 26 71 63 59 50 21
56 91 42 37 25 16 21 87 63 46 63 56
77 65 32 23 10 59 41 72 61 21 46 54
54 37 51 72 22 60 31 80 60 69 60 41
47 68 44 54 48 66 16 78 55 32 32 50
84 15 9 38 44 0 55 70 58 43 19 34
44 60 57 57 63 39 22 77 42 61 50 46
57 63 44 55 58 6 76 87 36 44 64 13
59 43 25 43 46 12 79 75 56 55 38 23
59 66 71 32 40 14 83 49 80 60 57 21
67 70 74 55 43 34 82 50 62 4 26 2
78 40 66 45 33 38 74 61 78 56 37 21
49 62 52 44 32 12 98 51 71 41 54 12
47 28 22 65 21 28 61 76 90 51 59 12
72 68 51 60 61 38 72 64 35 53 27 6
63 40 56 52 66 31 87 69 71 33 80 45
62 47 43 59 18 37 83 49 45 28 31 15


課題の問1〜問3に解答したexer4.elsxのシートを提出せよ。
ただし、提出メールの件名は自分のメールアドレスとする。
提出期限: 5月18日(月)24時まで




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