「情報リテラシー演習」 第5回 講義ノート


1. オートフィル
Excel の最も大切な機能の一つに、一定の規則で自動的に値や関数をセルに入力できる「オートフィル」がある。

1.1. 使い方
アクティブセルの右下にマウスカーソルをもってくると、マウスカーソルか以下のように黒十字に変わる、
 ==> 

この状態で下へドラッグ(右ボタンを押したままマウスを下へ移動させる)すると、それらのセルへ「オートフィル」が実行され、下のような入力が自動で行われる。

【注意】
・ オートフィルで入力できるのは、行または列方向の一方だけである。
・ 複数のアクティブセルからオートフィルを行うことができる。

【演習問題1.1】 次の [ ] 内のアドレスのセルに 「 」 内の値を入力し、( ) 内のセルにオートフィルを行え。
(1) [A1], 「1」 --> (A2:A5)
(2) [B1], 「1」, [B2], [2] --> (B3:A10)
(3) [C1], 「月」 --> (C2:C8)
(4) [D1], [May] --> (D2:D13)
(5) [E1], [子] --> (E2:E13)
(6) [F1], [皐月] --> (F2:F13)
(7) [G1], 「1」, [G2], 「3」 --> (G3:G10)
(8) [H1], 「100」, [H2], 「97」 --> (H3:H10)
(9) [I1], 「1」, [I2], 「-1」 --> (I3:I10)
(10) [J1], 「1」, [J2], 「-1」 --> (J3:J10)

1.2. オートフィルの応用問題
【演習問題1.2】
オートフィルを利用して次の表を作れ。ただし1行目に1〜15までの数を入力し、一般項を作る際にそれを参照せよ。
(1) 数列の一般項

1行: 「0から15までの整数の列」(以下1行を参照せよ)
2行: 「1以上の奇数列」
3行: 「初項1、公比2の等比数列」
4行: 「1、−1の繰り返し」
5行: 「奇数列は0、偶数列が1、−1を交互に変化する」
※B2:P5セルは、A2:A5セルからオートフィルで入力される。

(2) 複数のセルの参照



2. 論理式(AND, OR, NOT)
2.1. 論理式・真偽
「セルA1の値と10に等しい」という命題は、Excelではつぎのように表す。
=(A1=10)
この式が入力されたセルは、命題が真の場合には "TRUE"、偽の場合には "FALSE" を返す。
【 例題2.1】 [A1]に「2」を入力し、[B1]に「A1が3より小さい」という命題を記述せよ。

【演習問題2】
(1) [A1]に「2」を入力し、[C1]に「A1が1より大きい」という命題を記述せよ。
(2) [A2]に「○」を入力し、[B2]に「A2が"●"に等しい」という命題を記述せよ。
(3) [A3]に「0.5」を入力し、[B3]に「A3が0以上」という命題を記述せよ。


2.2. AND
2つ以上の命題: 命題1, …, 命題n が全て成り立つという命題は次のように表す。
=AND(命題1, …, 命題n)
(結果は "TRUE" か "FALSE" で返される。)

【演習問題2】
(4) [A4]に「2」、[B4]に「3」を入力し、[C4]に「A4が2かつB4が3である」という命題を記述せよ。
(5) [D4]に「A4が2以上B4が5未満である」という命題を記述せよ。
(6) [A5]に「大」、[B5]に「中」、[C5]に「小」を入力し、[D5]に「A5が"大"かつB5が"中"かつC5が"少"である」という命題を記述せよ。


2.3. OR
2つ以上の命題: 命題1, …, 命題n のどれかが成り立つという命題は次のように表す。
=OR(命題1, …, 命題n)
(結果は "TRUE" か "FALSE" で返される。)

【演習問題】
(7) [E4]に「A4が2またはB4が4である」という命題を記述せよ。
(8) [E5]に「A5が"大"またはB5が"中"またはC5が"少"である」という命題を記述せよ。


2.4. NOT
命題を否定する命題は次のように表す。
=NOT(命題)

【演習問題】
(9) [F4]にE4の否定の命題を記述せよ。
(10) [F5]にE5の否定の命題を記述せよ。


3. 条件式
3.1. IF
「命題が真の場合は1, 偽の場合は2である」は、次のIF関数で与えられる。
=IF(命題, 1, 2)

【演習問題3】
(1) [A1]に「0.5」を入力し、[C1]にA1の値が0未満ならば"負", 0以上ならば"非負"を表示させよ。
(2) [D1]にA1の値が0未満ならば"負", 0ならば"零"、0より大きければ"正"を表示させよ。
(3) [A7]に「-1」、「0」、「1」などを入力し、[C7]と[D7]の変化を確かめよ。


3.2. COUNTIF
以下の記述により、範囲内のセル中で条件を満たすものの個数を返す。
=COUNTIF(範囲, 条件)

【例題3.2.1】 [A8:J8]に「赤」、「青」、「黄」のどれかを入力し、[K8]に青の個数を表示させよ。
解) =COUNTIF(A8:J8,"青")

【例題3.2.2】 [A9:J9]にRAND関数を用いて0以上1未満の乱数を表示させ、[K9]にそれらの中で「0.2以上」のものの個数を表示させよ。
解) =COUNTIF(A9:J9,">="&0.2)

【演習問題3】
(1) [A2:J2]に「赤」、「青」、「黄」のどれかを入力し、[L2]に黄の個数を表示させよ。
(2) [L3]に青または黄色の個数を表示させよ。
(3) [A4:J4]にRAND関数を用いて0以上1未満の乱数を表示させ、[L4]にそれらの中で「0.2以上、0.6以下」のものの個数を表示させよ。


4. Excel の関数と応用
【問題】 次の200人の成績データ(100点満点)を分析する。

94 51 66 74 85 36 72 73 64 80 50 68 88 47 72 86 88 90 58 58
94 69 79 62 84 29 65 74 59 92 68 72 93 51 64 77 78 93 54 68
62 77 93 59 72 34 69 52 58 87 65 56 85 58 73 77 96 79 66 68
67 75 84 69 61 70 65 92 69 64 96 65 91 55 62 73 87 87 71 66
63 59 84 51 56 70 79 94 71 62 58 36 84 52 66 82 50 73 77 85
98 62 72 78 80 66 74 81 61 53 18 70 78 32 78 100 46 82 84 87
96 58 74 78 81 90 81 87 51 57 62 47 80 43 74 90 56 74 72 84
92 52 42 70 80 90 54 74 92 82 91 38 71 83 82 90 50 86 82 89
95 65 66 66 75 22 83 50 75 81 59 70 87 59 73 98 48 77 77 84
88 57 71 74 90 46 80 88 76 81 74 48 91 40 67 94 47 79 82 67



上の表の得点は次のルールで並んでいる。
・ 得点表の得点には、09-2201-001から09-2201-200までの学籍番号が対応している。
・ 学籍番号の最後の3ケタの数字が001〜200まで変化する。
・ 得点表の点数と学籍番号の対応は、左上から下に向かって、学籍番号の下3ケタの数が小さい順である。
・ 成績は得点から次のように評価される:

不可
90点以上 80点以上90点未満 70点以上80点未満 60点以上70点未満 60点未満



4.1. シートの準備
・ Excel のブックを開き、上の表の数値を全て選んで「Sheet2」に張り付けるコピーする。
・ 「Sheet1」の名前を「成績表」に変更し、[A2:A201]に1から200までの通し番号をつける。
・ [B2:B201]に学籍番号を入力する。
・ [C2:C201]に「Sheet2」のデータを順番にコピーする。


4.2. 統計処理の実践
【演習問題4】
次の図にならって表を完成させよ。

【ヒント】 x を得点、E を平均、σ を標準偏差したとき偏差値 T は次式で与えられる:

T = 50 + 10(x-E)/σ


5. 本日の課題
【演習問題4】 を完成せよ。

「2015_05_20」 という名前のブックを添付ファイルとして提出せよ。
提出期限: 5月25日(月)24時まで


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