模型16

ちょっと変わった正二十面体模型


紙工作で「正二十面体」を作る最もポピュラーな方法は、展開図を折って貼りあわせるやり方だと思いますが、今回は少し違った方法で下のような模型を作ってみました。

見ての通り、これは正二十面体を構成する面同士を「のりしろ」でつなぎ合わせたもので、下のような部品を20個使用しています。

一見、何でもなさそうな部品ですが、実はのりしろの部分の角度 X の値を求めるには少し計算が必要です。

ちなみに、もしも正二十面体が「正四面体」の頂点を一か所に集めてることによって作ることができるならば 「 X = 120度」になりますが、実際にはそうではないため、当然X の値は120度とは異なる値になります。その値を計算してみましょう。


下図のような、正二十面体の一つの頂点から別な頂点に向かう5本のベクトルを考えいます。

 

これらのベクトルで作らる五角錐の頂点から、底面に垂直なベクトル n を考えると、n と各ベクトルのなす角は、求める展開図中の X と一致し、その値は次のようになります。

ただし、「(  ,  )」、「 ||  ||」 は、それぞれベクトルの内積と大きさです。

ここで、正二十面体の一辺の長さを1とし、下のような性質に注目すると・・・

X の値が次のようになることがわかります:

X はほぼ120度なので、1.7度の誤差を気にしなければ展開図を作ることは簡単です。ちなみに下の型紙は上で求めた値を適用したものです。

型紙(1枚で15面分です)

今回実際に製作したモデルは、のりしろ同士を裏紙で結合しています。


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