模型19
立方八面体の双対多面体
以前に製作した「正十二面体の双対多面体」ど同様の方法で、半正多面体の一つである「立方八面体」の双対多面体のモデルを製作してみました。
立方八面体とは、下のような8枚の正三角形と6枚の正方形で構成された多面体で、13種類の半正多面体の一つです。
立方八面体は、正八面体の頂点部分を、辺の中心まで切り落とした立体と考えることができます。
また、立方体の頂点を同様に辺の中心まで切り落とした立体でもあります。
上記の性質から、立方八面体は、下のモデルのように全ての正方形の面が接するような立方体の箱にぴったりと収めることができます。
立方八面体の双対多面体(「面」と「頂点」を入れ替えてできる立体)は、辺の長さの比が √2 : √3 の12枚の菱型で構成された下のような「菱形十二面体」です。
今回製作したのは、菱形十二面体の隣合う面の中心同士を結ぶことによって、双対多面体の立方八面体を構成してみたものです。
以前と同様、もとになる立体の面を透明のプラ板で作り、その中心同士を針金で結びました。
少々分かりづらいですが、銀色の枠を辺とした外側の立体は菱形十二面体です。
それでは、反対に、立方八面体の各面の中心を結ぶと菱形十二面体が構成できるでしょうか?
実際に作ってみるとこんなふうになりました。
ちょっと分かりづらいので、針金の線分をCGで描いて多面体になるように色づけすると下のようになります。
残念ながら、これは菱形十二面体にはなりません。
実際、双対多面体は「頂点」と「面」の関係を入れ替えた多面体というだけで、必ずしも面の頂点同士を結んだ線分を辺とする多面体というわけではありません。
しかし、ここで期待に反して現れた立体は、正八面体の面を直角二等辺三角形を側面にもつ三角錐に置き換えた24面体で、12枚のユニット折り紙で作られる下のくすだまとちょうど同じ形になります。