ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

ページ
145/306

このページは 山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年 の電子ブックに掲載されている145ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

145【第2部】2 学部・大学院等の発展る教養部の廃止にともなう教養部教官の教育学部への分属(平成8(1996)年)、非養成課程の設置を含めた数次の課程の改組、大学院の設置・拡充などの一連の大きな改変の後の15年間の変化でもある。 平成9(1997)年までに大きな一連の改変を経たこともあり、この間に小学校教育コースの設置をのぞいて、大きな組織的な改変はない。平成10(1998)年の学校教育教員養成課程の定員100 名および非養成課程の実践臨床教育課程20 名、情報教育科学課程40 名、健康科学教育課程40 名、総合文化教育課程40 名、合計240 名という枠組みも大きく変更されておらず、平成21(2009)年に学校教育教員養成課程に小学校教育コース定員30名を設置したことにともない、現在(平成25(2013)年募集)は、学校教育教員養成課程の定員を130 名とし、実践臨床教育課程20名、情報教育科学課程30 名、健康科学教育課程30 名、総合文化教育課程30 名の合計240 名となっている。近年の動向 しかし、組織的な変化は大きくはなくとも、平成16(2004)年からの国立大学法人化をはじめとしてこの間に教育学部を取りまく情勢は大きなうねりを見せた。一つには国際化や少子高齢化などの社会情勢の変化であり、二つには学力低下、教員の質の問題、いじめや不登校の問題などの教育にかかわる情勢、三つにはこの時期声高に叫ばれるようになる大学改革や教育学部改革など大学を取りまく情勢である。それらとの関わりは学部の歩みの上で無視することはできない。とくに平成13(2001)年に文部科学省の「国立の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会」の報告書で、教育学部の統廃合を含めた提案が示されたことは、大きな議論を呼んだ。そうした中で教員数は漸減し、いかにして従前のカリキュラムを維持し、優れた人材を輩出していくかが重要な課題となっている。 一方、平成21(2009)年からの教員免許更新制の実施に伴い、更新講習が実施されるようになった。山口大学での開講にあたっては必修領域、選択領域をあわせて多くの教育学部教員がそれを担っている。また、既に述べた非養成課程の設置は、国際化や情報化の進展の中で、また、少子化の影響が進む中で学校教員養成以外にも対応できるような資質を持った学生を育て、幅広い人材養成をおこなう事を目指したものであり、設置以来着実に卒業生を送り出してきた15 年であるということもできる。その意味で、これまでと同様に時々の社会の情勢、教育を取りまく情勢、大学を取りまく情勢に応じた教員養成・人材養成に取り組んできたのである。特色ある取組 その取り組みの中で、この間の特色とする活動として、一連のちゃぶ台方式によるプロジェクトがある。これは「「ちゃぶ台」方式による協働型教職研修計画(ちゃぶ台GP)」(平成17、18年度)が、文部科学省が平成17(2005)年度からスタートさせた「大学・大学院における教員養成推進プログラム(教員養成GP)」に採択されたことに始まる。教職志望学生と現職教員、教育関係者が共に学ぶ教職研修プログラムの様子 教員養成GPとは、教員により高度な専門性と実践的指導力が求められるという社会の要求に対応するため、「資質の高い教員を養成するための教育内容・方法の開発・充実などをおこなう特色あるすぐれた教育プロジェクト」であり、34 件が採択された(申請数は101 件)。「ちゃぶ台GP」はそのうちの1 件である。