ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

ページ
148/306

このページは 山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年 の電子ブックに掲載されている148ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

148全国の国立大学とともに山口大学経済学部も国立大学法人化されることになった。 この国立大学法人移行の中、経済学部は二つの戦略的展開を打ち出した。一つは、平成16(2004)年に経営学科に設置された「職業会計人コース」である。このコースは、山口高商以来の伝統である実学教育の強化を目的に設けられ、学部内での四年間で、公認会計士・税理士の資格を学生に取得させようとする本格的な教育プログラムである。すでに、学部在籍中に公認会計士・税理士に現役合格する学生も続々と誕生しており、全国的に大きな注目を集めるとともに、着実な成果を収めている。もう一つは、平成17(2005)年に、国立大学初の観光系の学科として創設された「観光政策学科」である。この学科は、21 世紀最大の成長産業と言われながら、我が国では立ち遅れていた観光分野でのリーダー人材育成を経済分析応用力養成の面から進めていくことを目的に設置された。この目的のため、観光関連の実践的な研修を含むプロジェクト演習を課し、語学教育も重視するなど、他学科にはない特徴的なカリキュラムを実施している。奇しくもその創設は、山口高商創立以来百周年の節目に当たり、経済学部の新たな歴史の一頁を飾るにふさわしい船出であった。第二大講義室新たな挑戦 平成18(2006)年には、法人化に対応した新カリキュラムが導入された。この改革では、複雑かつ細分化し過ぎた授業科目・コースカリキュラムの整理統合を行うと共に、TOEICを卒業要件として必修化するなど、語学教育強化も図られた。 平成20(2008)年に発生したリーマン・ショック以降の世界的不況により、経済学部でも就職状況の悪化が深刻な問題となった。こうした状況に対処するため、本学部は、経済界の第一線で活躍されている卒業生を数多く擁する同窓会「鳳陽会」との連携を深めながら、学生に対する就職教育・支援を積極的に進めることになった。その第一歩が、平成22(2010)年に始まった鳳陽会寄附講座「現代企業経営と期待するビジネスピープル」という特殊講義で、講師は全て経済学部の卒業生である。その目的は、活きた企業経営の現実や、大学と企業の関係などを、実際の経験に基づいた内容で学生に学ばせることにあるが、企業が求める学生像などのテーマも含まれており、就職活動をする上で得られることも多い。この寄附講座は、その後も毎年継続して実施されている。 平成23(2011)年からは、鳳陽会による就職アドバイザー制度もスタートした。これは、企業経営に実際に携わっておられた鳳陽会有志の方々が、毎日学部に常駐し、学生の就職相談・支援を行うものである。また、平成24(2012)年からは、学生の団体である「ゼミ連」の要望に基づき、鳳陽会と経済学部就職委員会が連携して、「模擬面接」も開始された。この模擬面接には、地元大手企業のご厚意により、人事部から実際の担当者が派遣され、本番さながらの面接が実施される。学部1・2 年生を中心に、模擬面接を通じて実社会を垣間見ることで、これからの修学に対する意欲を高め、就職活動に対する意識を喚起することを目的としている。公認会計士現役合格報告会