ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

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概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

154 教育・研究環境の充実が図られ、平成6(1994)年には創立50 周年を迎えた。その後も専門教育の単位制導入や教養部の廃止と講座(寄附講座も含めて)の新設が進み、平成12(2000)年には医学研究科の改組とともに、保健学科が新たに設置された。 医学部は着実に発展を遂げ、平成16(2004)年に国立大学法人へ移行し、現在に至るまで紆余曲折を経ながらも、地域から国内外に多くの医学研究者や医療技術者を輩出して国民の健康増進に貢献してきた。 医学部の創立から50 年のあゆみについては、山口大学50 周年記念誌ならびに山口大学医学部50 周年記念誌に詳しく記載されているので、本誌では、国立大学法人後の医学部の教育、研究ならびに社会貢献の現状と課題について紹介する。教育 医学部は、医学・医療の専門的知識と技術の教授とともに、豊かな人間性を涵養する教育を行い、人間の健康の増進に資する研究を推進し、社会・時代のニーズに応える高度な知識と技量を「発見し」、「はぐくみ」、「かたちにする」人材を育成することを理念・目的に掲げ、医学・医療の変化や医療人の社会的役割の変化に加えて国際化に対応できる人材の養成を目標にしている。 医学科では、豊かな人間性と高い倫理性を持った医師、研究者を育成すること、課題解決能力及び自己開発能力を育成すること、実践的臨床能力と先進的医療への対応能力を育成すること、医学・医療の分野で実践的英語能力を育成し、国際交流を推進すること、知的成果の積極的な公開とその応用を推進すること、医学・医療の向上を目指して、地域社会との交流を深めることを目標に掲げている。 現在、現実の医療を習得するための実践教育を推進するため、カリキュラムの改正を行っている。今後のグローバル化に備え、国際的医学教育認証にも十分に対応できる参加型臨床実習の充実を目指している。また、チーム医療のマインドを涵養し、総合力(人間力)のある人材を育成するため、臨床実習ではログブックを用いた自己目標立案能力と評価能力を養い、低年次からのポートフォリオ形成評価も行いながら6 年一貫教育を行っている。 一方で、以前から研究マインドのある国際的な医師・医療人を育成するための「自己開発コース」など実践教育を推し進めてきた。 さらに、大学院の講義を4 年生から履修することのできる山口大学独自の「SCEAプログラム」や「AMRAプログラム」を実施してきたが、平成24(2012)年には文部科学省から「高度学術医育成コース」が採択され、中・四国地区の拠点大学として活動を始めている。このプログラムでは、低学年から交換留学生など海外との交流をはかり、地域から世界に発信できる基礎研究・橋渡し研究・臨床研究を行うことのできる人材の育成を目指している。 保健学科は、保健・医療の分野において、真理を探求し、人類の幸福と発展に資する知識・技術を「発見し」、「はぐくみ」、「かたちにする」の理念のもと、医療の変化に対応できる人材を育成すること、チーム医療の一員として活躍できる人材を育成すること、医療技術の学問体系の確立に貢献できる人材を育成すること、医療の国際化に対応できる人材を育成すること、地域医療の向上に貢献できる人材を育成することを目標にしている。 保健学科では、設置以来、看護・医療検査技術の教育の国際化を目指して、英語を母国語とする専任教員による専門科目を導入し、看護・健康科学領域のリーダーを育成するために「APAHL(Asia-Pacific Alliance ofHealth Leaders)」国際交流事業に取り組んでおり、毎年、韓国・タイ・オーストラリアの協定校で学生・教職員の合同研修を行い、グローバルな医療人育成の取り組みを行っている。また、地域の医療機関や保健機関などの協力を得て、優れたカリキュラムの実施により、看護師・