ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

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概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

165【第2部】2 学部・大学院等の発展 その他の農学部関連の建物としては、平成15(2003)年に附属家畜病院(現動物医療センター)近くに解剖実習棟を移設し、平成21(2009)年度に動物医療センターを改修・増築した。また、平成24(2012)年には、農場本館の改修(耐震性補強)を行った。3.国立大学法人化以降 平成18(2006)年度より、医・工・理・農の連携による大学院医学系研究科「応用分子生命科学系専攻(博士前期・後期課程)」の新設に伴い、農学部の5 名の教員が医学系研究科所属となり、農学部の学生は大学院進学において農学研究科だけでなく医学系研究科にも進むことができるようになった。 また、獣医学科は、獣医学教育の充実をめざし、同年4 月に大講座制(生体機能学講座、病態制御学講座、臨床獣医学講座の3 講座)に移行した。教員定員も増え、国際基準を満たす獣医学教育の実現に向け充実を図っていく足掛かりを築いた。 そして、翌年1 月には、「附属家畜病院」を、診療の対象が産業動物から犬・猫の伴侶動物が中心になったこと、および研修獣医師や動物看護師の教育にも力を注ぎ西日本全域における小動物臨床の中核センターとして機能していることなどから、「附属動物医療センター」に名称を変更した。4.山口県との研究連携の開始 大学法人化以降、地域への貢献や地域の機関との連携は、大学にとって非常に重要な活動の1 つとなってきた。この流れを受け、それまで個人的に行われてきた山口県農林関係試験研究機関との共同研究等を基盤に、平成17(2005)年6 月に連携推進会議を設置し、翌年8 月には、共通の課題解決のため、協力して研究を行うことを目的に「連携研究に関する覚書」を締結した。現在の連携推進会議には、連携調整部会のほか8 つの専門部会(園芸特産、獣医畜産、土地利用型作物、環境、病害虫、農山村、森林林業、食品加工)が置かれ、部会ごとに研究会を開催したり、共同研究を推進するなど、活発に活動している。さらに県からの非常勤講師の派遣など、教育面における連携も進んでいる。5.拠点大学交流事業 平成10(1998)年度より、足立収生教授(現山口大学名誉教授)をコーディネーターに始まった独立行政法人日本学術振興会の拠点大学交流事業「耐熱性微生物資源の開発と利用に関する研究」は、平成15(2003)年からは松下一信教授をコーディネーターとして、計10 年間行われ、多くの留学生を受け入れ、アジア地域における微生物学の発展に大きく寄与した。その後、平成20 年からは、アジア研究教育拠点事業「微生物の潜在能力開発と次世代発酵技術の構築(日本側コーディネーター:山田守教授(現農学部長))」として継続し、日本23大学・研究機関、タイ23 大学・研究機関、ベトナム4 大学・研究機関、ラオス1 大学から約120 名の研究者が参加するなど、現在も国際的な研究教育機関としての役割を果たし続けている。6.附属中高温微生物研究センターの設置 農学部において行われてきた先端的な微生物学研究を基盤に、「微生物機能の活用」研究を推進すると同時に、それに必要な研究能力とグローバルな視点を備えたトップレベルの若手研究者を育成することを目的に、平成21(2009)年9 月1 日に、平成27(2015)年3 月31 日までの時限付きで、中高温微生物研究センターが設置された。その後、平成24(2012)年の共同獣医学部発足に伴い両学部による共同設置となった。地球温暖化に伴う諸問題(エネルギー枯渇・食料危機・感染症対策・環境保全・生態系の維持など)とそれによって引き起こされる人類存続に関わる課題を解決する一つの手段として、微生物の積極的利用に関する研究を先導的に行っている。