ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

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概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

173【第2部】2 学部・大学院等の発展医学・医療分野とグローバルスタンダードに対応できるよう教育・研究体制を整備している。 このように、医学系研究科では、他の専門分野との真の協力を伴った融合と連携を行うとともに、研究資金調達の面からも産業界と連携し、とりわけ地域の産業界に興味を持っていただける研究、この地域でしかできないような研究を行い、国内だけでなく世界的にも通用していくことを目指している。そのためには、若手の人材育成が最重要課題であり、若手の研究者が志を高く持つことができる教育・研究環境の整備に全力で取り組んでいる。本誌では、国立大学法人化後を中心に、医学系研究科の教育、研究について紹介していく。教育 医学系研究科の教育の特徴として、応用医工学系専攻及び応用分子生命科学系専攻が挙げられる。これらの専攻は、従来では各専門分野で縦断的に教育活動を実施していたところであるが、医学、工学、農学、理学の各分野を横断的に連携した教育を実施している。 システム統御医学系専攻、情報解析医学系専攻(医学博士課程)及び保健学専攻においても学際領域に関する知識を含め、幅広い視野を持った高度専門職業人を育成する教育を実施している。その中では、ゲノムやプロテオームの研究などを基礎にした高度先進医学・医療への対応と学際融合領域との連携を持った広い範囲の専門科目を提供している。 また、平成22(2010)年に設置された高度学術医コース(SCEA/AMRA)では、学部・大学院教育を一貫した研究医養成プログラムを実施している。 前期プログラム(学部課程)は、医学科3 年次を修了した者を対象としており、大学院の授業を先取りして受講でき、大学院学位論文の関連論文を執筆することができる。前期プログラム履修中に外国語試験に合格した場合には、大学院入学試験受験の際に外国語試験を免除しており、大学院入学に関して優遇措置を行っている。 後期プログラム(大学院課程)では、前期プログラム期間中に受講した授業の履修免除、執筆した論文を学位論文の関連論文として認定可能、博士取得期間の短縮、など優遇措置がある。SCEAプログラムについては、奨学金を付与しているが、修了後に、基礎研究医として教育研究に携わることで奨学金の返還を免除するとしている。 専門的な看護系人材育成として、中国・四国・九州地区で唯一の認定コースである「CNS(急性・重症患者看護専門看護師、がん看護専門看護師)コース」を看護学領域の博士前期課程に設けており、急性・重症患者看護専門看護分野及びがん看護専門看護分野における専門性の高い看護職業人を育成している。研究 医学系及び保健学系については「医学部」のページを参照していただきたい。 理学系では、応用分子生命科学系専攻にて研究を行っている。初期胚の間期伸長に伴う細胞内小器官の再構築による細胞分化の分子機構の解析の研究、非線形光学特性と無機化合物の融合による無機?有機ハイブリッド非線形光学材料の研究、生物活性化合物の合成と構造活性相関を研究など行っており、理学のみならず、医学、薬学、工学など幅広い分野と融合・連携している。細胞秩序の研究は、本学から唯一「JSTさきがけ」に採択された個研究指導風景