ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

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概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

176年度には、博士後期課程に環境共生工学専攻の設置も認められ、5 専攻体制となった。平成12(2000)年には、感性デザイン工学専攻(前期課程)が新設された。 最も新しい改組は、平成18(2006)年の大学院の部局化に伴うもので、博士後期課程5専攻(自然科学基盤系専攻、システム設計工学系専攻、物質工学系専攻、情報デザイン工学系専攻、環境共生系専攻)、前期課程10 専攻(数理科学専攻、物理・情報科学専攻、地球科学専攻、機械工学専攻、社会建設工学専攻、物質化学専攻、電子デバイス工学専攻、電子情報システム工学専攻、感性デザイン工学専攻、環境共生系専攻)となった。進学者 工学研究科と理学研究科の統合を経て発展している理工学研究科ではあるが、「昭和」が終わるまでは、定員が少ないこともあり修士課程への進学率は卒業生の20%程度とそれほど高いものではなかった。 理工学研究科への改組に伴い、大学院博士前期(修士)課程の学生定員が大幅に増加された頃から大学院への進学率が急速に高まり、平成14(2002)年には、工学部卒業生の50%超が、理学部の卒業生の約50%が博士前期課程へ進学するまでになった。さらに平成13(2001)年から平成16(2004)年の間、工学系は毎年15 人以上、理学系も約6 名が博士前期課程から後期課程進学している。これは、学部入学者の約40 人に1 人以上が博士後期課程に進学したことに相当している。研究の推進 この大学院の充実が行われた時代に、特に産学連携研究の推進や特許出願件数が大きく増加した。 例えば、平成3(1991)年には、大学全体で共同研究は20 件、受託研究は8 件に過ぎなかったが、理工学研究科に名称変更した平成9(1997)年には、その数はそれぞれ44 件と35 件へと大幅に増加した。更に、博士前期課程への進学率が約5 割に達し、博士後期課程の進学者の数も多くなった平成10(1998)年以後にはこの数はさらに大きく増加し、一時は共同研究・受託研究をあわせて300 件を超えた。このことは理工学研究科の研究力が、大学院生の力に大きく依存していることを示している。 しかし、平成17(2005)年度以降は後期課程への進学者が減少し(最近になって回復はしつつある)、内部進学者、社会人と留学生を合わせても博士後期課程の学生定員を満たすことが困難な状況になっている。 理工学研究科を今後も継続的に発展させるためには、博士後期課程への進学者の増加が見込める対策をとることが必要である。医学系との連携 理工学研究科の重要な活動として、医学系と連携した大学院における教育研究が挙げられる。平成13(2001)年には、日本で始めて医学研究科の中に応用医工学系専攻が設置され、工学系と医学系の教員が共同で、医学と工学の素養のある高度技術者のための教育を始めた。さらに平成18(2006)年には、医学系研究科に理工学研究科、農学研究科の教員も参加して、応用分子生命科学系専攻が設置された。 この複数の学部の教員が参加する大学院の設置は、研究分野の垣根を取り払い、分野をまたいだ多くの共同研究を生み出しており、平成24(2012)年度には優れた博士論文を執筆した者に与えられる井上研究奨励賞を受賞している。また、新たな分野への就職の開拓も行っている。技術経営等の教育 理工学研究科を語るうえで、技術経営やベ