ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

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概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

74"74中 平祐 (第10代学長)村上 悳 (第9代学長)次第に学生や教育の問題に重心を移していくという形をとるようになってきました。社会も大学に期待しているモデルは一元的ではなく、次のような四つの役割を考えるようになってまいりました。a ; 研究の役割、b ; 専門教育の役割、c ; 一般教育・教養教育の役割、d ; 社会に対する役割であります。これら四つの特化した役割を大学側が、どのような組み合わせで選択するかということになるのであります。 ここまできて私の学長としての時間終了ということになりました。「時間学研究所」で異分野共通の話題を 中 平祐・第10代学長(平成8年~14年) 私は、自分にできることは数学だけだと思っていましたので、大学がどういうものなのか、いわゆる管理職、特に学長という職がどういうものなのか、まったく考えたこともありませんでした。したがって、最初はどうしていいのか分からないという感じでしたが、いろいろ勉強して、2年目ぐらいに、ようやく大学の組織が何かというのが少しずつ分かり始めてきました。 「山口大学」は一つの大学だと思っていたのですが、たとえば同窓会はそれぞれの学部に同窓会があって、しかも同窓会のリーダーの方々は「山口大学」の卒業生ではないのです。工業専門学校とか経専とか県立医科大学、あるいは旧制山口高校の卒業生で、それぞれが別々に活動しておられる。私から見ると、一つのものではないような気がして、不思議な感じがしました。また、宇部地区と山口地区は相当な距離がありますが、一つの大学でそんなに離れたキャンパスがあるところには、それまで勤めたことがありませんでした。それで、同窓会だけでも何とか一緒のものを作ろうと皆さん方と話し合いをして、ようやくそれを作ることができました。 もう一つは、共通の基金でも作ったらどうかと。基金そのものが大きなものでなくても、山口大学を卒業した学生にとって、自分たちも恩恵を被ったようなものが大学に一つある、ということはいいのではないかと思って、結構四苦八苦しましたが、最後には山口県出身の文部科学大臣のところに行って、ちょうど私の学長の任期が終わる頃に認可されました。ちっぽけなものでしたが、共通のものがあるということが、一つの象徴にはなったのではないかと思います。 それから、それぞれの学部は皆独立した感じで、学部の違う先生方同士はあまり話をしないのではないかと。だから、先生方がお互いに話せるような方法はないかと思って、「時間学研究所」というのを作りました。「時間」といえば、医学、数学、物理、工学、経済など分野が違っても、共通の話題があるのではないかと思って、文科省から予算も出なかったわけですが、各学部の皆さんが賛成してくださって、「時間学研究"