ブックタイトル山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

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概要

山口大学記念誌  「志」つなぎ伝える二百年

76"76岡 正朗 (第13代学長)か考えはありました。 その一つは、大学改革をどう進めていったらいいのかというときに、各部局の考え方がたいへん違う、特に文系と理系で違う。その違いを何とか一つにまとめていかなければ、法人化後、うまく行かないと思っていました。それで、大学全体で、山口大学が今後目指す方向はこういうものだ、というものを作る必要があると思いました。 理念はできていました。ですから10年~15年ぐらいの中期ビジョンとして、「明日の山口大学ビジョン」というのを作り、「教育」「研究」「社会貢献」の三つをその中核としました。ただし、文書を作っただけでは動きません。そこでタイムスケジュールとロードマップを考え、10年スパンの「山口大学の改革ビジョン」を作りました。 そして学部の改革、共通教育の改革、大学院の改革などのグルーピングを作って進めようとしました。どれも難しい問題なので、その中でまず手を着けられるところからということで、当時いちばん問題になっていた獣医学の国際化という問題に取り組みました。鳥取、山口、宮崎、鹿児島の四つの獣医学科が連携していたので、私が4大学に話をして協議を進め、最終的に鹿児島大学との共同獣医学部ができました。これが大学改革の第一歩になりました。このとき20億近いお金が付き、教員も8名プラスされました。この過渡期に大学改革の先陣を切ってお金がポーンと付いた。これでみんなが大学改革をしなければいけないという気運になったと思います。 それから私の最後の仕事になったのが、部局長の選考方法の改革です。最初はすべての部局から猛反対を受けましたが、法人化後、大学が変わるためには部局の意識も変わってほしいと説得を重ねて、最終的には昨年末に全部局から賛成を得ることができました。これは実際には岡先生の代から実行されるわけですが、全国でこれをやった総合大学は山口大学が初めてだったのです。平成27年に国際総合科学部がスタート岡 正朗・第13代学長(平成26年~) 山口大学は先生方のおかげで、ずいぶん改革の気運が感じられます。もともと長州ですから、この土地の中に維新のDNAが何らかの形で刷り込まれていると思っています。いろんな改革の時期にあって、その先頭に立たなければいけない、というのが今の私の決意です。丸本先生のご厚意で、さまざまな会議に一緒に出させていただいて、バトンタッチをしたときには、自分ではかなり加速をつけたつもりでいました。そういうことで、現在の執行部の先生方もスムーズに大学運営に移れたのではないかと思います。私としては幸せな滑り出しだと思っています。 平成28年から第3期の中期目標に移りますので、この2年間に改革を見える形にするということを文科省からも言われているわけですが、幸い山口大学は平成27年に国際総合科学部という新しい学部をスタートできそうです。これは文理融合型の学部で、山口大学では9学部目になります。大学というのはやはり学問をするところであって、専門の学問領域があるというのが大前"