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本学への寄付

第8回国際協力Talk Show「粗信仁 元在スリランカ日本大使による講演会」の開催

 2025年1112日(水)午後1時より本学経済学部D302号講義室において、元在スリランカ日本特命全権大使の粗信仁(ほぼ のぶひと)氏による「スリランカの開発とジェンダー」と題する講演会が開催され、学部学生と大学院の留学生を含めて約70名が参加しました。

 講演会では、スリランカのユニークな特徴として、同国がベトナムと同様に「民主社会主義共和国」を国名とし、福祉国家を目指し、大学教育までの無償化と医療皆保険を制度化していること、日本の5Sや「カイゼン」を導入していることなどが説明されました。

 また、同国のジェンダーの課題としては、2025年のジェンダーギャップ指数は148カ国中130位と南アジアの隣国よりやや上位ではあるが、日本(同指数118位)と同様に女性の政治と経済の分野での進出が遅れていること、家庭内暴力や紛争により多くの女性が犠牲になっていることが語られました。

 さらに、2019年に中進国の仲間入りを果たした後、コロナ禍の影響などを受けて経済成長率が著しく減少し、2021年までには深刻な状況が明らかになっていたこと。これに対し、先進諸国、国際機関の様々なレベルの政策対話と、日本、インド、スリランカの有識者による同国の経済立直しに関する提言策定(大使自身も積極的に参画)が行われ、世界銀行やIMF、及び日本などの先進国の改善勧告を受入、支援を受けるべきことを処方箋として示したにも関わらず、ついに2022年4月にデフォルトに陥るまでの経緯を説明されました。

 講演後には留学生や学部学生から積極的な質問がなされ、大使は一つ一つの質問に丁寧に応答されました。講演に参加した学生からは、外交の最前線で活躍された大使から直接話を聞く機会を得て、大変有意義であったとの声が聞かれました。

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