山口大学医学部 医学部

医学系研究科案内

大学院医学系研究科長ご挨拶

山口大学大学院医学系研究科は、革新的な医療の発展と健康の向上に貢献することを使命として、人々の健康と幸福を追求し、医学の最前線で新たな知識と技術を生み出すことを目指しています。豊富な経験と専門知識を持つ教官と共に、学際的なアプローチを取り入れ、医学の様々な分野における革新的な研究を展開しています。研究活動は最新の技術や方法論を駆使して行われています。分子生物学、遺伝学、画像診断、バイオインフォマティクスなどの先端技術を活用し、疾患のメカニズムや治療法の開発に取り組んでいます。また、データサイエンスや人工知能を活用したアプローチも重要な一環として位置付けています。

かつては猛威を振るった感染症も、抗生剤や抗ウイルス剤などの治療薬によってほぼ克服されてきました。不治の病とされた「がん」も発がんメカニズムが解明されはじめ、免疫学の発展も相まって、外科手術・放射線治療以外にもCAR-T細胞療法などの有効な治療薬や治療法が開発され、必ずしも「死」を意味するものではなくなりつつあります。一方で新型コロナウィルス感染症の世界的な流行は、医療体制の脆弱性を露呈し、新たな課題を突きつけました。既に凌駕したかのように見えた感染症から思わぬ反撃を受け、今一度、医療・医学の原点に立ち返り、健康管理、衛生管理、医療体制、ワクチン開発や基礎医学の強化の重要性を痛感させられる状況です。他方、近年の分子生物学やゲノム科学の発展によって遺伝子疾患や難治疾患にすら光が射し、治療への道筋も見え始めました。また臓器移植技術の向上やシステムの整備、加えてiPS細胞などを使った新しい再生医療が始まり、革進的治療法も見えてきています。神経科学の発展も目覚ましく、かつてはブラックボックスとされたこころの仕組みや病の理解や治療が俎上に載りはじめ、脳と社会の関係にまでメスが入るようなりました。山口大研究科も常に新しいことに挑戦し、医学・医療の発展に貢献し続けています。AIやビッグデータなどの最新技術を活用した研究や、ゲノム医療や再生医療などの先進医療分野の研究にも積極的に取り組んでいます。特にAIの医学応用に関してはAIシステム医学医療研究教育センター(AISMEC)を設立し、全国においても先駆的役割を果たしています。さらに国際的な視野を持ち、国内外の研究機関や産業界との連携を重視しています。これにより、世界中の先端技術や知見を取り入れ、より高度な研究成果を生み出すことを目指しています。また異なる文化や価値観を尊重し、多様性と包括性を推進することも重要な価値観の一つです。自分自身の手で確実なデータを取り、過去の文献と比較検討し吟味を重ね、さらにそこに自分らしいオリジナルな視点と論理を交えて研究を展開していく。そして研究結果の堅固さとインパクトと発展性が感じられる論文やプロダクトを仕上げていく。そうしたスキルと経験を身につけることで、楽しく充実した研究生活が満喫でき、自己実現が果たせるのではないかと思います。

医学系研究科は、今後さらに革新的な医療の発展と健康の向上に向けて、研究、教育、社会貢献の三つの柱を中心に活動していきます。私たちは常に時代の要求に応え、医学の分野でリーダーシップを発揮して医療の未来を拓く次世代の専門家を育成し、未来の医療に貢献し続けます。


山口大学大学院医学系研究科長
山口大学医学部長

田邉 剛

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