山口大学医学部 医学部

医学部長ご挨拶

 山口大学医学部は山口県の南西部、瀬戸内海に面する「彫刻と緑の町」宇部市の中心部にあり、維新の地、山口で、新進の気質と開拓の精神を持ち、「医心」あふれる医療人の育成と医学の発展に貢献しています。昭和19年に創立した前身の県立医学専門学校が、昭和24年に県立医科大学となり、昭和39年に国立大学に移管され、山口大学医学部医学科に引き継がれました。平成12年には医学部に保健学科が設置され、看護学専攻と検査技術科学専攻を配して現在の体制となりました。伝統と高度な医学レベルを堅持し、山口大学医学部は、学術スピリッツ(アカデミズム)を源泉として、その流れを汲む強靱な研究力、教育力、臨床力が発揮できる医学アカデミアの形成を目指しております。山口県の医学と医療の拠点として、臨床マインドと研究マインドを両輪とした学術臨床教育Academic Clinical Educationを行い、国際的視野と地域親和性を有する個性豊かで優秀なアカデミア人材を育成していきたいと考えております。

 近代医学の歴史は、細菌の発見、ウィルスの発見、ワクチンの開発、抗生物質・抗ウィルス剤等の治療薬の開発といった先人医学者による感染症の克服に向けた努力と輝かしい成果から始まったという見方もできます。2020年に入り、新型コロナウィルスが世界的猛威を振るう中、全世界が医学・医療の原点回帰の重要性とウィルスとの共生、病気との共生という新たなメディカルスタイルやライフスタイルの必要性を再認識しているところです。ワクチンや治療薬の開発、感染症対策、遠隔医療や遠隔教育等のリモートシステム拡充等は大きな課題であり、時代の変化に応じた医学教育・研究・医療システム作り、医学部や病院の人材育成の責務をあらためて感じる次第です。

 医療の基本は、感染症のみならず、疾病の複雑化や人口の高齢化が進む現代でも、ご家族を含めた患者さんへの最善の医療提供に加えて、密着したトータルなサポートや安心して治療を受けていただける環境作りにあることは変わりありません。一方、今まで以上にグローバルスタンダードや基礎研究をベースとしたトランスレーショナル医学や高度先進医学への対応も求められる時代となりました。現代ほど医学が生命科学や情報科学などの他分野と関わりを緊密化し、境界が曖昧かつ肥大化した時代はありません。そして、この境界領域こそが臨床医学も基礎医学も巻き込む高度な医学的発展を遂げた領域であり、山口大学においても先端がん治療や再生医療、成人病・生活習慣病、精神・神経疾患、遺伝疾患など難病に対する高度先進医療をリードしてきた領域であります。今また高度に進化したディープラーニングやデータサイエンス等との融合分野が台頭してきており、山口大学医学部はこれに即応し、他大学に先駆けてAIシステム医学・医療研究教育センター(AISMEC)を設置して、新たな時代に向けて邁進しております。

 こうした広範に渡る高度な対応が求められる現代医学・医療にあって、医学者、医師、看護師、臨床検査技師等を目指す学生は十分な専門知識と技能の獲得が必要であり、チーム医療・医学を俯瞰し、支え合い、協調できる能力は不可欠になります。医療スタッフがまとまり、患者さんや医学周辺分野を繋ぐためには、互いの心を理解できる高い人間力が必要で、思いやりのあるコミュニケーション力、説明能力、人道的倫理観を身につけることが強く求められます。これらは目的を共有した誠実な議論や活動を通じて切磋琢磨されるでしょう。真剣な課外活動や学外活動を推奨してサポートしたいと思っております。

 時代の変化と色々なニーズに対応して、医学部は常にカリキュラムの改善に努めており、2019年度に医学教育分野別評価(国際認証評価)を受審しました。また国際的視野と学術研究心の涵養は医学部教育の特色に挙げることが出来ます。医学科の学生は「自己開発コース」などを通じて、毎年十数名が約5ヶ月の間、欧米を中心とした海外の研究室で研究を行っています。保健学科は、アジア,オーストラリアの国々との連携によるAPAHL(Asia-Pacific Alliance of Health Leaders)を組織し、学生の交流を行っています。専任の外国人教員も在籍しています。多様な人材を活用してアカデミアの源泉をより広く深く醸造し、地域でも世界でも社会貢献できる個性豊かな人材を育成・輩出し、現場での医療活動から高度な先進医学・医療まで多岐に亘る医学教育・研究・臨床医学界や社会や産業界へ還元できる役割を果たしたいと考えております。

山口大学医学系研究科長
山口大学医学部長
篠田 晃

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