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シンポジウム「人工知能・システム医学による難治性疾患への新たな挑戦」を開催しました

 6月24日(土)、ANAクラウンプラザホテル宇部にて、山口大学大学院医学系研究科主催シンポジウム「人工知能・システム医学による難治性疾患への新たな挑戦」を開催し、県内外から政財界、官公庁、教職員・学生等、計124名の参加がありました。本シンポジウムは、本邦の医学系研究科では数少ないシステムバイオロジーを専門とする講座を設立(平成29年4月)したことを契機として、従来から本学で成果を挙げてきた難治性疾患研究を新たな視点から一層加速し、発症機序・病態の解明と診断・治療法開発に繋げることを目的に開催しました。
 第一部の基調講演では、沖縄科学技術大学院大学の北野宏明教授から「人工知能による医療革命」と題して、人工知能によるノーベル賞級の発明を目指す計画や、自律的に動くロボットからなるサッカーチームなど、想像を超える最新の研究に関する情報が紹介されました。続いて、理化学研究所の桜田一洋医科学イノベーションハブ推進プログラム副プログラムディレクターから、「オープンシステムサイエンスに基づいた予測と予防の個別医療」と題して、従来の遺伝要因に基づくモデルや生活習慣に基づくモデルを個々に解析する医学研究の限界が示され、それを克服するための、歴史性、不可逆、変化の法則の変化、外部性など発生学や複雑系の科学の概念を身体状態の変化の推論に組み込むライフコースモデルが示されました。最後に、医学系研究科の浅井義之教授から「山口大学発の多階層システム医学プラットフォームを目指して」と題して、人工知能やシステムバイオロジーを介した新規性の高い医学研究について紹介がありました。
 第二部では、医学系研究科の石田博教授、創成科学研究科(理学)の松野浩嗣教授、創成科学研究科(工学)の浜本義彦教授、連合獣医学研究科の前田健教授らが、各研究科において取り組むシステムバイオロジーの研究事例を紹介したほか、山口大学発ベンチャーである株式会社ブラケアジェネティクスの並木幸久社長から「健康AIによる高精度ヘルスケアと第4次産業革命」と題して、高精度なヘルスケアをナビゲートするためのアルゴリズムの研究開発が紹介されました。
 今回のシンポジウムは、山口大学における人工知能による予測個別化医療を目指した多階層システム医学コホート研究・教育拠点の形成に向けたキックオフとしても位置づけており、今後は同分野において学部を超えた研究を促進し、世界に先駆けた新しい医学研究による成果が得られることを目指します。

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