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松永教授がAPSR2023のHarasawa Research Awardを受賞

 大学院医学系研究科 呼吸器・感染症内科学講座の松永和人教授が、2023年11月にアジア太平洋地域の呼吸器学会(APSR)において「Harasawa Research Award」を受賞しました。この賞はAPSRの開設に尽力された元東京大学の原澤道美教授が他界された翌年の2003年に創設された賞で、アジア太平洋地域の人々の肺の健康を守るために貢献した研究者に贈られるものです。

 松永教授は長年、重症喘息の臨床的寛解を目標とした研究を続け、本学会でこれを実現するための新たな治療的戦略について発表しました。その3つのポイントとして、①喘息が重症化するメカニズムの解明 ②重症化を判断する新しい検査方法として、呼気一酸化窒素濃度測定検査(呼気NO検査)を開発・保険診療化 ③重症喘息に関与する分子を標的とするバイオ製剤(分子標的治療薬)の臨床応用開発 を挙げています。このうちの②呼気一酸化窒素濃度測定検査(呼気NO検査)における炎症バイオマーカーの開発および保険診療化に向けた取り組みに関して、松永教授らの研究グループは長年尽力しました。

 また、松永教授らが作成した気道炎症バイオマーカーに関する英文ガイドラインは、アジア太平洋地域初の学会ガイドラインとして広く活用されています。

 松永教授は「これまで重症喘息は副作用がある全身性ステロイド薬を使った治療を回避出来ませんでしたが、今回発表した新たな治療戦略の普及がさらに進めば、ステロイド薬に依存しない重症喘息の治療が可能になります」と話しました。

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