臨床検査・腫瘍学講座の石黒助教が、APASL2024でInvestigator Awardを受賞
臨床検査・腫瘍学講座の石黒旭代助教が、国際学会であるAPASL2024(アジア太平洋肝臓学会)において、若手研究奨励賞であるInvestigator Awardを受賞しました。
Investigator Awardは若手研究者の学会発表の中で、優れた研究内容に対して授与されます。発表の題目は「早期ステージ肝細胞癌診断のための、糖化フェリチンを用いた新規高感度検査法」です。発表内容は、下記のとおりです。
【発表概要】
肝細胞癌は治療が難しい癌のひとつですが、早期発見により患者さんの生存率が向上するため、早期発見が重要です。臨床検査・腫瘍学講座では、糖鎖が結合したフェリチンという蛋白質(糖化フェリチン)の割合が、肝細胞癌の患者さんで低くなることを発見し、これまでに使用されていた腫瘍マーカー(AFPやPIVKA-II)と糖化フェリチンを組み合わせた新しい診断法(GFAD)を開発して、その診断性能について報告しました。 新しい診断法であるGFADは、肝細胞癌の患者さんを感度90%、特異度86%で診断可能であり、これまでに使用されていた腫瘍マーカーより高い精度で肝細胞癌を区別することができました。肝細胞癌のリスクが高くなる肝硬変という病気の患者さんと、早期ステージの肝細胞癌の患者さんの区別においても、GFADは感度77%、特異度85%と高い診断能力がありました。GFADは、早期ステージの肝細胞癌の診断に貢献する可能性が示唆されました。