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令和6年度全国発明表彰において「未来創造発明奨励賞」を受賞

 このたび、大学院医学系研究科医学専攻免疫学講座玉田耕治教授、佐古田幸美准教授、安達圭志講師らを発明者とする「免疫機能制御因子を発現する免疫担当細胞の発明(特許第6561372号)」(以下「本発明」)が、「未来創造発明奨励賞」を受賞しました。また、未来創造発明貢献賞を、山口大学(谷澤幸生学長)が受賞しました。
 未来創造発明奨励賞は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ、中小・ベンチャー企業、大学及び公設試験研究機関等の研究機関に係る発明等を対象に、未来の社会を創造するに当たり、実施効果を挙げている、又は今後大きな実施効果を挙げると期待される発明等のうち、特に優秀と認められる発明等に贈られます。

 今回、受賞の対象となった本発明は、がん治療に用いる免疫機能制御因子を発現する免疫担当細胞「PRIME CAR-T細胞」に関するものです。がんは大きくは固形がんと血液がんの2種類に分けられますが、本発明の一形態であるCAR-T細胞(がんの目印に結合するアンテナ部分を人工的に発現させた免疫細胞)は、従来から血液がんに対して高い有効性を示してきた一方で、固形がんに対する有効性を示すことが難しいという課題がありました。
 本発明であるPRIME CAR-T細胞の特徴は、従来のCAR-T細胞に、さらに、サイトカイン*1であるIL-7とケモカイン*2であるCCL19という遺伝子を組み合わせて発現させた点で(図1参照)、CAR-T細胞と体内の免疫細胞両方の集積と活性を高めます。また、ヒトの肺がん細胞株(固形がん)を接種した免疫不全マウスに、本発明を投与したところ、固形がん細胞の増殖は完全に抑えられることが確認されており(図2参照)、このような効果は従来型のCAR-T細胞やCAR非発現T細胞では認められませんでした。
 本発明による治療法は、臨床試験の段階で、安全性や有効性の検証に向けて治験を進行中です。

図1
図2










*1 サイトカイン:細胞から分泌される生理活性物質であり、主に免疫細胞の増殖活性や機能、生存などを制御します。
*2 ケモカイン:細胞から分泌される生理活性物質であり、様々な細胞の組織への移動や集積を制御します。

くわしくは、こちらをご覧ください。https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/zenkoku/2024/mirai1.html

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