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共同研究講座「組織再生治療学講座」を設置

本学では、セントラル硝子株式会社(本社:東京)との共同研究講座「組織再生治療学講座」を令和6年9月1日に設置しました。この講座では、他家“凍結保管” 線維芽細胞シートを用いた画期的な再生医療製品等の開発を目指した研究を行います。

細胞シートは、人から採取した線維芽細胞を培養し、シート状にしたもので、従来の医薬品による治療が困難な患者さんに対し、新たな治療の選択肢として注目されています。これを患部に移植し、細胞シートから分泌される成長因子が周囲の細胞に働きかけることで治療を促進します。外科分野の難治性潰瘍治療や、縫合部組織再生治療等への高い有効性が期待されています。

これまでの細胞シートは、凍結させて解凍した場合には細胞生存率が著しく低下し、安全性の基準を満たせない点が課題でした。セントラル硝子株式会社と本学とのこれまでの研究で開発した再生医療向けの3Dフリーザーを用いることにより、凍結解凍後の細胞シートの細胞生存率を80%以上の状態で維持することが可能になり、安全性の基準をクリアしました。これにより細胞シートの在庫を確保でき、手術時期に合わせた柔軟な供給が可能になります。また、患者さん以外の健康な人(他家)から採取した線維芽細胞を用いることで、細胞シートの大量生産が可能になり、利便性の大幅な向上が期待できます。

今後は、非臨床安全性試験や治験を行い、他家“凍結保管” 線維芽細胞シートを用いた再生医療製品の2030年度の実用化を目指していきます。なお、この実用化に向けたプロジェクトは令和6年度やまぐち再生医療等実用化・産業化推進補助金事業、及び宇部市再生医療等先端的研究開発実用化推進補助金事業に採択されており、9月3日に宇部市役所において合同記者会見が開催されました。

【共同研究講座の概要】

講座名称:組織再生治療学講座

設置期間:2024年 9月1日 ~ 2027年8月31日

設置場所:山口大学医学部

担当教員:山口大学大学院医学系研究科

     器官病態外科学講座 濱野 公一 教授、上野 耕司 助教

     消化器内科学講座 高見 太郎 教授、松本 俊彦 講師

 

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