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JABEE認定コース

全国で8校だけの専門機関から認定を受けた教育プログラムについて紹介

JABEE認定コース「地域環境科学コース」

将来,技術者(エンジニア)になろうと考えている高校生の皆さんにとっては,JABEE認定を受けている学科に進学することが重要となります。特に顕著な最近の傾向は,地球圏システム科学科を卒業して博士前期課程地球科学専攻へ進学した修了生の「専門技術職への就職率の高さ」です.
JABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education)は,「日本技術者教育認定機構」という高等教育機関の技術者教育を審査するための組織(第三者機関)です.大学などで行っている技術者教育を,国際的な標準との同等性を持たせるために,高いレベルを設けて審査・認定しています。
私たちのコースは2004年度にこの認定を受けました.

これにより,卒業生は申請するだけで国家資格「技術士補」を取得することができます。私たちのコースは,厳しい審査に合格しており,技術者教育を保証する教員,カリキュラムによって構成されています。
技術士補は,「技術士」の全部門に共通する一次試験が免除されるので,専門的技術者に必須である「技術士」取得に際して大変有利です。地質技術者としてはもちろん,一般企業においても技術職として勤める上で大変有利な資格です。
技術士は科学技術の全領域をカバーしている技術系の国家資格で,次のような部門があります;機械,船舶・海洋,航空・宇宙,電気電子,化学,繊維,金属,資源工学,建設,上下水道,衛星工学,農業,森林,水産,経営工学,情報工学,応用理学,生物工学,環境,原子力・放射線。

地域環境科学コースがめざす「地質技術者」像

地域環境科学コースでは,上記JABEEに認定されたプログラムに基づいて,地球科学の専門知識を教育することに加えて,地質技術者の育成を目指した独自のカリキュラムが組まれています。地質技術者は,現在の社会状況を鑑み,地球システムに関する知見に立脚し,現在から将来へ変化する人間活動と地球との関係を予測し,説明することを社会から求められています。こうした要請を踏まえて,本コースは「社会的ニーズに応じて,多様な地質に即した課題や目的を自ら設定し,それを解決する能力を有する自立した地質技術者」の育成に取り組んでいます。 

山口県は,地質学(地球科学)の教科書ともいえます。さまざまな種類の地層や岩石を観察することができるため,野外で直接地質学を学ぶ機会を与えてくれます。
山口県は,地質の宝庫でもあります。地下にわが国最大の鍾乳洞がある秋吉台の石灰岩だけではなく,古生代から新生代までの多種多様な火成岩類,変成岩類,堆積岩類が分布し,萩周辺には第四紀火山の織り成す地形・地質も見られます。
資源に関する教科書的な技術・文化もそろっています。宇部炭田や長登鉱山などは技術遺産として継承されており,萩焼きの原料となる粘土は現在もなお採掘されています。地質学(地球科学)の素養を身につけることは,資源探査の基本です。そして,将来日本の資源問題を解く礎になります。
防災教育も行っています。2000年⿃取県⻄部地震,2001年芸予地震,2005年福岡⻄⽅沖地震,2016年熊本地震と内陸⼤地震(活断層地震)が続発して,⻄⽇本で地震の活動期に入ったことがうかがわれます。また,近年の降雨状況の変化により,平成30年(2018年)7月豪雨などによる大規模な降雨災害も頻発しています。地球圏システム科学科では活断層地震による震災,土砂(斜面崩壊や地すべり)災害なども調査・研究し,高度な「防災力」を持った人材の育成を目指しています。
世界的視野に立った技術者を目指します。4年次への進級要件にTOEICを導入,さらに専門科目「地学英語」によって,英語力を鍛えます。国際的な共同研究を通じて,世界を見渡すことができます。こうした教育・研究を通じて,国際的技術者を育成する土壌がこのコースの特色ともいえます。
このような視点を踏まえて,このコースならではの「学習・教育目標」と「その達成度」を設定して,高度な知識と国際性を身につけた技術者を育成しています。

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