山口大学医学部放射線障害予防規程

○山口大学医学部放射線障害予防規程

(平成14年3月14日規則第45号)

改正	平成15年4月18日規則第77号	平成16年4月1日規則第182号
	平成17年3月17日規則第34号	平成19年7月17日規則第113号
	平成22年3月18日規則第34号	平成25年5月27日規則第95号
	平成27年3月24日規則第92号	令和元年8月27日規則第117号
	令和2年3月25日規則第79号	令和5年9月28日規則第55号
	令和5年9月29日規則第62号	令和6年3月28日規則第22号
	令和7年3月31日規則第73号

第1章　総則

(目的)

第1条　この規程は，放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)及び電離放射線障害防止規則（昭和47年労働省令第41号。以下「労働省令」という。）の規定に基づき，山口大学医学部(山口大学総合科学実験センターRI実験施設を含む。以下「本学部」という。)における放射性同位元素及び放射性同位元素によって汚染されたもの(以下「放射性同位元素等」という。)の取扱いを規制することにより，放射線障害を防止し，公共の安全を確保することを目的とする。

(定義)

第2条　この規程における用語の意義は，法の規定に基づくもののほか，それぞれ次の各号に定めるところによる。

(1)　「ECD」とは，ガスクロマトグラフ用エレクトロン・キャプチャ・ディテクタ(ニッケル63を密封線源として装備しているものに限る。)をいう。

(2)　「取扱者」とは，放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則（昭和35年総理府令第56号。以下「総理府令」という。）で定める放射線業務従事者又はこれらの者の業務の管理若しくはこれに付随する業務を行う者をいう。

(3)　「所属部局」とは，事務局，各学部，学環，大学院の各研究科，研究所(国立大学法人山口大学学則(平成16年規則第1号)第9条に定めるものをいう。)，図書館，機構，学内共同利用施設及び医学部附属病院をいう。

(4)　「一時立入者」とは，取扱者以外であって放射性同位元素等の取扱い以外の目的で放射線管理区域に一時立ち入る者をいう。

(適用範囲)

第3条　この規程は，本学部の放射線管理区域に立ち入るすべての者及びECDを使用するすべての者に適用する。

(遵守等の義務)

第4条　取扱者及び一時立入者は，放射線取扱主任者（以下「主任者」という。）が放射線障害防止のために行う指示に従わなければならない。

2　医学部長は，主任者が法及びこの規程に基づき行う意見具申を尊重しなければならない。

3　医学部長は，山口大学医学部放射線障害予防委員会（以下「予防委員会」という。）及び施設長がこの規程に基づき行う意見具申を尊重しなければならない。

(1)　国立大学法人山口大学放射性同位元素等規制規則（平成14年規則第11号）

(2)　国立大学法人山口大学放射線安全管理委員会規則（昭和57年規則第56号）

(3)　国立大学法人山口大学放射性有機廃液廃棄規則（昭和63年規則第13号。以下「放射性有機廃液廃棄規則」という。）

(基準及び要領等)

第5条の2　この規程に定める事項の実施については，医学部長が定める次の基準及び要領等によるものとする。

第6条　本学部における放射性同位元素等の取扱いに関する安全管理組織は，別表1のとおりとする。

2　医学部長は，本学部における放射性同位元素等の取扱い，管理又はこれに付随する業務（以下「取扱等業務」という。）を総括し，当該業務に関する安全管理上の最終的な責任を有するものとする。

(主任者等)

第7条　本学部に，放射線障害の防止について必要な監督・指導を行わせるため，主任者を置く。この場合において，複数の主任者を置いたときは，そのうち1人を主任者(正)とし，それ以外の者を主任者(副)とする。

2　主任者(副)は，主任者(正)が不在のときは，その職務を行う。

3　全ての主任者が出張，疾病，その他の事故によりその職務を行うことができないときは，その期間中，放射線取扱主任代理者(以下「代理者」という。)を置き，その職務を代行させる。

4　主任者及び代理者は，第1種放射線取扱主任者の資格を有する本法人の職員の中から，医学部長の推薦により学長が任命する。

5　医学部長は，第3項の期間が30日以上となる場合，学長に報告し，学長は，原子力規制委員会に代理者選任の届出を選任後30日以内に行わなければならない。

6　医学部長は，第3項の期間が終了したときは，学長に報告し，学長は代理者を解任する。この場合において，前項により，原子力規制委員会に選任の届出を行ったときは，学長は，原子力規制委員会に代理者解任の届出を解任後30日以内に行わなければならない。

(主任者の職務)

第8条　主任者は本学部における放射線障害の防止に関し，次の業務を行う。

(1)　放射線障害予防規程の制定及び改廃への参画

(2)　放射線障害防止上重要な計画作成への参画

(3)　関係法令に基づく申請，届出及び報告の審査

(4)　立入検査等の立会

(5)　異常及び事故の原因調査への参画

(6)　火災等事故発生時の措置の指導に関すること。

(7)　学長及び医学部長に対する意見の具申

(8)　放射性同位元素等の使用状況等並びに施設，帳簿，書類等の監査

(9)　関係者への助言，勧告及び指示

(10)　国立大学法人山口大学放射線安全管理委員会及び予防委員会の開催の要求

(11)　その他放射線障害防止に関する必要事項

(定期講習の受講義務)

第9条　学長は，法第36条の2第1項及び総理府令第32条第2項の規定に基づき，主任者に対して，次の期間ごとに定期講習を受けさせなければならない。

(1)　主任者選任後，定期講習を受けていない者（主任者に選任される前1年以内に定期講習を受けた者を除く。）　選任日から1年以内

(2)　主任者（前号に掲げる者を除く。）　前回の定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始日から3年以内

(予防委員会)

第10条　放射線障害の予防に関し必要な事項を企画，調査，審議するため，本学部に，予防委員会を置く。

2　予防委員会は，次の委員をもって組織する。

3　予防委員会に委員長を置き，主任者(正)をもって充てる。

4　委員長は，予防委員会を招集し，その議長となる。

5　予防委員会が必要と認めたときは，委員以外の者を予防委員会に出席させることができる。

6　予防委員会が議決を必要とするときは，出席委員の過半数をもって決定し，可否同数の場合は議長の決するところによる。

(施設長)

第11条　放射線施設に，当該施設の放射線障害の防止に関する業務を総括するため，施設長を置く。

2　施設長は，総合科学実験センター長が指名する。

3　施設長は，放射線障害の防止に関し，主任者の意見を尊重するものとし，放射線施設の安全管理上必要な措置を講ずる。

(放射線管理責任者)

第12条　放射線施設に，当該施設の放射線管理に関する業務を総括するため，放射線管理責任者を置く。

2　放射線管理責任者は，施設長が指名する。

(放射線管理担当者)

第13条　放射線施設に，放射線管理担当者を置く。

2　放射線管理担当者は，施設長が指名する。

3　放射線管理担当者は，主任者及び放射線管理責任者と連携し，次の業務を行う。

(1)　放射線管理区域に立ち入る者の入退域，放射線被ばく及び放射性汚染の管理に関すること。

(2)　放射線管理区域内外に係る放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定に関すること。

(3)　放射線測定器の保守管理に関すること。

(4)　放射性同位元素等の受入れ，払出し，使用，保管，運搬及び廃棄に関すること。

(5)　放射線作業の安全に係る技術的事項に関すること。

(6)　取扱者に対する教育及び訓練計画の立案及びその実施に関すること。

(7)　取扱者に対する健康診断計画の立案及びその実施に関すること。

(8)　放射性廃棄物の管理及びそれらの処理に関すること。

(9)　第1号から第8号までに掲げる業務の記帳及び記録の管理に関すること。

(10)　関係法令に基づく申請，届出，その他関係省庁との連絡等に関すること。

(11)　その他放射線障害防止に関すること。

(施設管理責任者)

第14条　放射線施設に，放射線施設の維持及び管理を総括するため，施設管理責任者を置く。

2　施設管理責任者は，施設長が指名する。

(施設管理担当者)

第15条　放射線施設に，施設管理担当者を置く。

2　施設管理担当者は，施設長が指名する。

3　施設管理担当者は，主任者及び施設管理責任者と連携し，次に掲げる業務を行う。

(1)　放射線施設の保守管理及び設備の運転・保守管理に関すること。

(2)　給排気設備，給排水設備の運転及び維持管理に関すること。

(7)　高圧ガス設備及び危険物の保守管理に関すること。

(8)　その他施設・設備の維持及び管理に関すること。

(放射線使用責任者)

第16条　放射性同位元素等を使用する研究グループごとに，放射線使用責任者(以下「使用責任者」という。)を置く。

2　使用責任者は，次条の規定により取扱者として登録された大学教育職員等(国立大学法人山口大学職員就業規則(平成16年規則第41号)第2条第2項に定める大学教育職員等をいう。)をもって充てる。

3　使用責任者は，当該研究グループの取扱者に対し，放射性同位元素等の取扱いについて適切な指示を与えるとともに，放射性同位元素等の使用，保管，廃棄に関する記帳を行わせなければならない。

4　使用責任者は，当該研究グループの取扱者が放射性同位元素等を使用する都度，放射線施設及び当該取扱者の汚染又は被ばくの有無を確認することとし，必要に応じ放射線施設の巡視，点検を行う。

5　使用責任者は，当該研究グループの取扱者が放射性同位元素等を使用する都度，放射性同位元素等の保管，廃棄についての安全確認を行う。

6　使用責任者は，主任者及び施設長とともに，必要に応じて放射線施設の自主検査を行う。

7　使用責任者は，第4項に定める巡視，点検及び第5項に定める安全確認の際に異常を認めたときは，速やかに主任者及び施設長に報告するとともに，その指示を受け必要な措置を講じなければならない。

(取扱者の登録)

第17条　本学部において放射性同位元素等を取り扱おうとする者及びこれらの者の業務の管理又はこれに付随する業務を行おうとする者は，あらかじめ当該者の所属部局等の長に所定の様式により取扱者の登録の申請を行い，その承認を得なければならない。

2　前項の申請を行った当該者の所属部局の長は，当該者に対し，第34条に規定する教育訓練及び第35条に規定する健康診断を受けさせなければならない。

3　前項の健康診断において取扱い可と診断された者の所属部局が管理部局である場合にあっては主任者又は安全管理責任者が，管理部局でない場合にあっては当該者の所属部局の労働安全委員会が，当該者の既に受けた放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練の内容を審査し，放射性同位元素等の取扱いの可否を所属部局の長に報告するものとする。

4　前項の報告を受けた所属部局の長は，取扱者としての可否を判定し，可と判定した者について取扱者名簿に登録するものとする。

5　前項の規定により所属部局の取扱者名簿に登録され，当該所属部局の長から医学部長に通知があり，本学部の取扱者名簿に登録された者は，本学部において取扱等業務を行えるものとする。

6　前項の登録は，年度ごとに行うものとし，更新を妨げない。

7　主任者は，取扱者がこの規程に反したとき又は放射性同位元素等の使用能力に欠けると認めたときは，当該取扱者の登録の取消し，取扱等業務の一時停止等必要な措置を医学部長及び当該者の所属部局の長に上申しなければならない。

8　医学部長及び当該者の所属部局の長は，前項の上申を受けたときは，当該取扱者についてその可否を審査の上，適切な措置を講じなければならない。

9　取扱者は，放射性同位元素等を使用しなくなったときは，速やかに所属部局の長を通じて，医学部長に届け出なければならない。

第3章　放射線管理区域

(放射線管理区域)

第18条　医学部長は，放射線障害の防止のため，放射線障害のおそれのある場所を予防委員会の意見を聴いて，放射線管理区域(以下「管理区域」という。)として設定する。

2　施設長は，次に掲げるもの以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。

(1)　取扱者として第17条に基づき登録された者

(2)　一時立入者として主任者，施設長，放射線管理責任者又は放射線管理担当者が認めた者

3　ECDはその機器表面を管理区域境界とする。

(管理区域に関する遵守事項)

第19条　管理区域に立ち入る者は，次の事項を遵守しなければならない。

(1)　定められた出入口から出入りすること。

(2)　個人被ばく線量計を指定された位置に着用すること。

(3)　管理区域に立ち入るときは，入退域記録に記帳すること。

(4)　取扱者は，主任者が放射線障害を防止するために行う指示及び施設の安全を確保するための指示に従うこと。

(5)　一時立入者は，主任者及び取扱者が放射線障害を防止するために行う指示その他施設の安全を確保するための指示に従うこと。

(6)　管理区域内では飲食，喫煙を行わないこと。

(7)　専用の作業衣，作業靴，その他必要な保護具等を着用するとともに，これらのものを着用してみだりに管理区域の外へ出ないこと。

(8)　放射性同位元素等を体内摂取したとき又はそのおそれのあるときは，直ちに主任者又は施設長に連絡し，その指示に従うこと。

(9)　退出するときは，放射線測定要領に従い，身体，衣服等の汚染検査を行い，汚染が検出されたときは，施設長に連絡するとともに，直ちに汚染除去のための措置を取ること。汚染除去が困難な場合は，主任者に連絡し，その指示に従うこと。

(10)　管理区域内での実験は最小限にし，被ばく線量を最低限に抑えること。

2　施設長は，管理区域入口の目につきやすい場所に，取扱いに係る注意事項を掲示し，管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。

第4章　維持及び管理

(放射線施設の維持管理)

第20条　施設管理責任者は，放射線施設の位置，構造及び設備等が関係法令に定める技術上の基準に適合するよう維持管理するとともに，当該放射線施設における放射線障害の防止に努めなければならない。

(巡視及び点検)

第21条　施設管理責任者は，自主点検基準により定期的に当該放射線施設の自主点検を行い，その結果を記録しなければならない。

2　施設管理責任者は，前項の自主点検の結果，異常を認めたときは，修理等必要な措置を講じなければならない。

3　施設管理責任者は，第1項の自主点検を終えたときは，結果を取りまとめ，主任者を経由して施設長に報告し，施設長は，医学部長に報告しなければならない。

(修理，改造等)

第22条　施設長は，放射線施設，設備機器等について修理，改造等を行うときは，その実施計画を作成し，主任者及び医学部長の承認を得なければならない。ただし，保安上影響が軽微と認められるものについてはこの限りではない。

2　医学部長は，前項の承認を行う場合で，必要があると認めるときは，その安全性，安全対策等につき予防委員会に諮問するものとする。

3　施設長は，第1項の修理，改造等を終えたときは，その結果について主任者を経由して医学部長に報告しなければならない。

第5章　使用

(共通事項)

第23条　放射性同位元素等を使用する場合には，取扱者は主任者の指示に従い，次の事項を厳守して人体の受ける線量をできるだけ少なくするとともに，環境への放射線の漏えいの防止に努めなければならない。

(1)　所定の放射線施設以外で使用しないこと。

(2)　学部又は学環の学生その他経験の少ない者は，経験の豊かな指導者とともに作業に従事し，単独で作業しないこと。

(3)　一時立入者を管理区域に立ち入らせるときは，主任者，施設長，放射線管理責任者又は放射線管理担当者の許可を得ること。

(4)　放射線施設は，常に整理し，不必要な機器，什器類等を持ち込まないこと。

(5)　放射線測定器は，較正されたものを用いること。

(6)　線量率の測定及び汚染の検査を行うこと。

(7)　放射線測定器を用い，被ばく管理を適切に行うこと。

(8)　使用の記録その他所定の記録を確実に行うこと。

(9)　放射線施設への出入り及び放射線施設内での作業に当たっては，作業規則を守り，作業中は必要に応じて適切なしゃへい物を設ける等の措置を講じ，汚染及び被ばくが生じないよう心掛けること。

(10)　取扱者は，使用中に故障その他の異常が発生したとき又は発生するおそれがあるときは，直ちに使用を中止し，その旨を主任者に報告しなければならない。

(密封されていない放射性同位元素等の使用)

第24条　密封されていない放射性同位元素等(以下「非密封放射性同位元素」という。)を使用する者は，施設長の管理のもとに次の事項を遵守しなければならない。

(1)　使用に当たっては，あらかじめ使用に係る計画書を作成し、施設長及び主任者に申請し，許可を得ること。

(2)　使用に当たっては，次号に定める安全作業基準に従って作業室において行い，承認使用数量を超えないこと。

(3)　取扱者は，使用に当たっては，次の事項を遵守しなければならない。

ア　排気設備が正常に動作していることを確認すること。

イ　吸収剤，受け皿の使用等汚染の防止に必要な措置を講ずること。

ウ　グローブボックス，フード等を積極的に利用すること。

エ　しゃへい壁、その他しゃへい物により適切なしゃへいを行うこと。

オ　遠隔操作装置，トング等により線源との間に適切な距離を設けること。

カ　放射線に被ばくする時間をできるだけ短くすること。

キ　作業室においては，作業衣，保護具等を着用して作業すること。また，これらを着用したままで管理区域から退出しないこと。

ク　作業室から退出するときは，人体及び作業衣，履物，マスク等着用している物の汚染を検査し，汚染があったときは除去すること。

ケ　人体若しくは放射線施設に汚染が生じたとき又は生じるおそれがあるときは，直ちに主任者及び施設長に報告し，その指示を受けること。

コ　表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度を超えているものは、みだりに作業室から持ち出さないこと。

サ　管理区域から器具等を持ち出すときは，表面汚染の有無を検査し，表面密度限度の10分の1以下であることを確認し，汚染検査室に常備する帳面に記録すること。

シ　使用中にその場を離れるときは，容器及び使用場所に所定の標識を付け，必要に応じて柵等を設け，注意事項を明示する等事故発生の防止措置を講ずること。

ス　必要な化学実験手技に習熟し，十分な知識をもつとともに，使用目的に応じて放射線障害の発生するおそれが最も少ない使用方法を用いること。

セ　作業室内においては，飲食，喫煙及び化粧をしないこと。

(ECDの使用)

第25条　取扱者は，ECDの使用に当たっては、次の事項を遵守しなければならない。

(1)　放射線管理責任者の監督のもとで使用すること。

(2)　使用前に，あらかじめ備え付けられた使用に係る帳簿に，使用に係る放射性同位元素の種類及び数量，使用年月日，使用者氏名，目的，方法，使用場所，開始時間を，使用後に，終了時間，異常の有無を記入すること。

(3)　使用中に機器に故障その他の異常が発生したとき又は発生するおそれがあるときは，直ちに機器の使用を中止し，その旨を主任者，施設長及び放射線管理責任者に報告すること。

(4)　ECDを装備されたガスクロマトグラフに固定したまま使用すること。

第6章　放射性同位元素等の受入れ，払出し，保管，運搬及び廃棄

(放射性同位元素等の受入れ及び払出し)

第26条　放射性同位元素等の受入れ及び払出しは，放射線管理責任者が行う。

2　放射性同位元素等の受入れ又は払出しを希望する者は，あらかじめ放射線管理責任者へそれぞれに係る核種，数量及びその他必要な情報を提供しなければならない。

3　放射線管理責任者は，放射性同位元素等の受入れにおいて，前項の情報によりその種類が許可されている核種であり，かつその数量と貯蔵室内の保管数量との合計が許可された貯蔵能力を超えないことを確認しなければならない。

4　放射線管理責任者は，放射性同位元素等の払出しにおいて，第2項の情報により払出し先の事業所が受入れ可能な内容であることを事前に確認しなければならない。

5　放射線管理責任者は，放射性同位元素等の受入れ又は払出しをするときは，放射性同位元素等の種類，数量，年月日及び相手方の氏名又は名称を記録しなければならない。

(保管)

第27条　放射線管理責任者は，次の各号に従って放射性同位元素等を保管しなければならない。

(1)　放射性同位元素等は，所定の容器に入れ，所定の貯蔵室に貯蔵すること。

(2)　貯蔵室にはその貯蔵能力を超えて放射性同位元素等を貯蔵しないこと。

(3)　非密封放射性同位元素を貯蔵室に保管するときは，容器の転倒，破損等を考慮し，バット等の内側に容器を置く等，貯蔵室内に汚染が拡大しないような措置を講ずること。

(4)　ECDは，基礎研究棟5階人間環境予防医学講座機器分析室（以下「機器分析室」という｡）に設置されたガスクロマトグラフ内に固定保管するとともに，機器分析室を使用していない間は，その出入扉に施錠しなければならない。

(5)　貯蔵施設及び機器分析室の目につきやすい場所に，放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示すること。

2　放射線管理責任者は，貯蔵室の放射性同位元素及びECDの所在と数量を，定期的に帳簿と照合しなければならない。

(管理区域における運搬)

第28条　管理区域において放射性同位元素等を運搬しようとするときは，危険物との混載禁止，転倒，転落等の防止，汚染の拡大の防止，被ばくの防止，その他保安上必要な措置を講じなければならない。

(本学部外における運搬)

第29条　放射線管理責任者は，本学部外において放射性同位元素等を運搬しようとするときは，主任者及び医学部長の承認を得て，関係法令に定める基準に適合する措置を講じなければならない。

2　放射線管理責任者は，本学部外において放射性同位元素等を運搬するときは，運搬の年月日，方法，荷受人又は荷送人の氏名又は名称及び運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称を記録しなくてはならない。

(廃棄)

第30条　放射線管理責任者は，放射性同位元素等を廃棄する場合は，次に従って行わなければならない。

(1)　固体状の放射性廃棄物は，可燃性，難燃性，不燃性，非圧縮不燃性，注射針及び動物に分類し，放射線施設ごとに定める廃棄物保管庫に保管廃棄すること。

(2)　液体状の放射性廃棄物は，所定の放射能レベルに分類し，保管廃棄又は排水設備により排水口における排水中の放射性同位元素等の濃度を濃度限度以下として，排水すること。

(3)　気体状の放射性廃棄物は，その発生を可能な限り低く抑える措置を講じ，排気設備により排気口における排気中の放射性同位元素等の濃度を濃度限度以下として，排気すること。

(4)　放射性有機廃液(液体シンチレーション関係の廃液)は，保管廃棄又は焼却炉にて焼却すること。

(5)　放射性有機廃液(液体シンチレーション関係の廃液)を焼却炉により焼却するときは，次に従って行わなければならない。

ア　焼却処理は，H-3，C-14，P-32，P-33，S-35及びCa-45のみを含んだ有機廃液に限ること。

イ　放射性有機廃液の上限濃度の目標値を次の値とすること。

(ア)　H-3，C-14，S-35：37ベクレル毎立方センチメートル

(イ)　P-32，P-33，Ca-45：3.7ベクレル毎立方センチメートル

ウ　放射線管理責任者は，焼却炉の安全運転，保守点検，廃棄作業，異常時及び危険時の措置に必要な教育及び訓練を受けた者の中から，焼却担当者を選任し，焼却炉の運転を行わせるものとする。

エ　焼却炉の運転は，放射性有機廃液廃棄規則に基づき定期的に点検するとともに，運転前においても所定の点検を行い，異常を認めたときは適切な措置を講じなければならない。

2　密封された放射性同位元素を廃棄するときは，許可廃棄業者等に引き渡すものとする。

第7章　測定

(放射線測定器の保守)

第31条　放射線管理責任者は，安全管理に係る放射線測定器が常に正常な機能を維持するように保守を行い，測定の信頼性を確保しなければならない。

2　測定の信頼性を確保するための措置の具体的な実施計画，記録，その他必要な事項は放射線測定要領に従い行わなければならない。

(測定)

第32条　放射線管理責任者は，放射線障害のおそれのある場所について，次の各項に定めるところにより，放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定を行い，その結果を評価し，記録しなければならない。

2　放射線の量の測定は，原則として1センチメートル線量当量について，放射線測定器を使用して行わなければならない。

3　放射線の量の測定は，使用施設，貯蔵施設，廃棄施設，管理区域境界及び本学部境界について，放射線測定要領に従い行わなければならない。

4　前項の測定又は計算結果を，見やすい場所に掲示するなどの方法によって，管理区域に立ち入る者に周知させなければならない。

5　放射性同位元素による汚染の状況の測定は，作業室，廃棄作業室，汚染検査室，排気設備の排気口，排水設備の排水口及び管理区域境界について，放射線測定要領に従い行うこと。

6　管理区域内の空気中の放射性物質の濃度の測定は労働省令第55条の規定に基づき行い，記録しなければならない。

7　測定の実施時期は，取扱開始前に1回，取扱開始後にあっては1月を超えない期間ごとに1回行うこと。ただし，排気口又は排水口における測定は，排気又は排水の都度行うこと。

8　ECDの測定は，次に従って行わなければならない。

(1)　測定場所は，管理区域の境界である機器の表面とすること。

(2)　測定時期は，ECDの使用開始前1回以上，使用開始後にあっては6か月を超えない時期に1回以上とすること。

(3)　ECDを交換したときは，その都度測定すること。

9　放射線管理責任者は，前各項の測定の結果を次の項目について記録しなければならない。

(1)　測定日時(時刻を考慮する必要がない場合は測定年月日)

(2)　測定箇所

(3)　測定をした者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称)

(8)　測定結果に基づいて実施した措置の概要

10　施設長は前項の記録並びに放射線測定要領により定めた点検・校正の実施計画及び点検・校正の記録について，編冊し，毎年3月31日又は事業所の廃止等を行う場合は当該廃止日等に閉鎖し，5年間保存しなければならない。

11　放射線管理責任者は，測定の結果，表面密度限度を超える汚染が見出された場合，直ちに柵等でその区域への立入りを制限し，放射性汚染除染要領に従って，除染を行わなければならない。

(個人被ばく線量の測定)

第33条　放射線管理責任者は，管理区域に立ち入る者に対して適切な放射線測定器を着用させ，次に従い個人被ばく線量を測定しなければならない。ただし，放射線測定器を用いて測定することが著しく困難なときは，計算によってこれらの値を算出することとする。

(1)　放射線の量の測定は，外部被ばくによる線量について行うこと。

(2)　外部被ばく線量の測定は，胸部(女子にあっては腹部)について，1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行うこと。

(3)　頭部及びけい部から成る部分，胸部及び上腕部から成る部分並びに腹部及び大たい部から成る部分のうち，外部被ばくが最大となるおそれのある部分が胸部及び上腕部から成る部分(女子にあっては腹部及び大たい部から成る部分)以外の部分であるときは，前号のほか当該外部被ばくが最大となるおそれのある部分について，前号に掲げる各線量を測定すること。

(4)　人体部位のうち外部被ばくが最大となるおそれのある部位が，頭部，けい部，胸部，上腕部，腹部及び大たい部以外の部位であるときは，前2号以外の部位について，70マイクロセンチメートル線量当量を測定すること。

(5)　内部被ばくによる線量の測定は，放射性同位元素を誤って吸入摂取し，又は経口摂取したとき及びそのおそれのあるときは，3月を超えない期間ごとに1回(本人の申出等により医学部長が妊娠の事実を知ることとなった女子は，出産までの間1月を超えない期間ごとに1回)行うこと。

(6)　前各号の測定は，管理区域に立ち入る者について，管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。ただし，一時立入者として主任者，施設長，放射線管理責任者又は放射線管理担当者が認めた者であって取扱者でないものは，外部被ばく及び内部被ばくの合計線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのあるときに行うこと。

(7)　測定結果の記録は，次の項目について行うこと。

ア　測定対象者の氏名

イ　測定をした者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称)

ウ　放射線測定器の種類及び形式

エ　測定方法

オ　測定部位及び測定結果

(8)　前号の測定結果から，実効線量及び等価線量を4月1日，7月1日，10月1日及び1月1日を始期とする各3月間，4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により医学部長が妊娠の事実を知った女子にあっては出産までの間毎月1日を始期とする1月間について，当該期間ごとに集計し記録すること。

(9)　第7号の測定結果から実効線量及び等価線量を算定し，次の項目について記録すること。

ア　算定年月日

イ　対象者の氏名

ウ　算定した者の氏名(算定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称)

エ　算定対象期間

オ　実効線量

カ　等価線量及び組織名

(10)　前号の算定は，4月1日，7月1日，10月1日及び1月1日を始期とする各3月間，4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により医学部長が妊娠の事実を知った女子にあっては出産までの間毎月1日を始期とする1月間について，当該期間ごとに行い，記録すること。

(11)　前号による実効線量の算定の結果，4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は，次号に定める期間の累積実効線量(第9号により4月1日を始期とする1年間ごとに算定された実効線量の合計をいう。)を集計し，次の項目について記録すること。

ア　集計年月日

イ　対象者の氏名

ウ　集計した者の氏名(集計をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称)

エ　集計対象期間

オ　累積実効線量

(12)　前号の集計は，平成13年4月1日以後5年ごとに区分した期間のうち，4月1日を始期とする1年間の実効線量が20ミリシーベルトを超えることとなった1年間を含む期間について，当該1年間以降毎年度行い，記録すること。

(13)　第7号から第12号までの記録は，施設長が永久に保存するとともに，記録の都度，対象者に対しその写しを交付すること。

2　放射線管理責任者は，測定の結果，測定部位が表面密度限度を超えて放射性同位元素により汚染されていた場合は，放射性汚染除染要領に従って，除染を行わなければならない。

3　放射線管理責任者は，第1項第1号から第4号及び第6号の測定について，測定の信頼性を確保するため，ISO/IEC 17025に基づく放射線個人線量測定分野の認定(以下この条において「認定」という。)を取得した外部の機関に委託して行うものとする。ただし，外部被ばく線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのある一時立入者については，放射線測定要領に従い点検校正を行った放射線測定器を用いて測定する場合はこの限りでない。

4　放射線管理責任者は，前項の測定の信頼性を確保するための措置として，測定の委託先が前述の認定を取得していることを書面で確認し，記録しなければならない。

5　施設長は前項の記録について，編冊し，毎年3月31日又は事業所の廃止等を行う場合は当該廃止日等に閉鎖し，5年間保存しなければならない。

第8章　教育及び訓練

(教育及び訓練)

第34条　施設長は，主任者の助言の下に，取扱者に対し，本規程等の周知等を図るほか，放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。

2　前項に規定する教育及び訓練は，次に定めるところによる。

(1)　実施時期は，次によるものとする。

ア　取扱者として登録する前

イ　初めて管理区域に立ち入る前及び取扱等業務に従事する前

ウ　管理区域に立ち入った後及び取扱等業務の開始後にあっては前回の受講日の属する年度の翌年度の開始の日から1年以内

(2)　前号については，次の対象者並びに予防委員会が本学部の状況及び使用の実態に基づき定めた次の表に掲げる項目及び時間数について実施すること。

ア　取扱者(イの者を除く。)

イ　取扱者であって，管理区域に立ち入らない者

項目	ア	イ
放射線の人体に与える影響	30分以上	30分以上
放射性同位元素等及び放射線発生装置の安全取扱い	3時間以上	1時間30分以上
放射性同位元素等及び放射線発生装置による放射線障害の防止に関する関係法令並びに放射線障害予防規程	1時間以上	30分以上