AIとシステムバイオロジーの融合で医療の未来を切り開く～山口大学AISMEC～

山口大学は、AIとシステムバイオロジーの融合を目指した「AIシステム医学・医療研究教育センター（AISMEC）」を２０１８年医学系研究科・医学部附属病院に設立しました。このセンターは、AI技術とシステム生物学を活用して、基礎医学の研究力強化や医療技術の向上を図ることを目的としています。特に、データサイエンスを駆使した医師の育成と、医療AI技術の発展を推進することで、医療分野全体の革新に貢献しています。活動の中心は、AIや機械学習技術とシステムバイオロジーを組み合わせた新たな診断・治療法の開発です。具体的には、例えば、発症した副作用から原因薬を推定するAI技術や、残存症状に関する問診データをもとに喘息のサブタイプを同定するAI技術を開発し、これらを大学附属病院の医療情報システムと連携して稼働できる統合的フレームワークを開発し、その運用を始めています。この統合システムは、医療従事者の意思決定を支援し、迅速かつ的確な診断や治療方針の策定を可能にし、患者に対する医療の質をさらに高めると同時に、医療現場の負担軽減にも貢献しています。AISMECは国内外の医療機関や企業との連携をはかり、グローバルな視点での研究開発を進めています。この協力関係により、世界的な課題である高齢化社会や感染症の対策に向けた研究も進展しており、その成果は医療界全体に波及しています。将来的にはより多くの分野でAIを活用した革新的な医療技術の開発と、その技術を駆使してシステム医学と医用 AI をリードする人材を山口大学から輩出することが期待されています。

（参考）http://aismec.gsm.yamaguchi-u.ac.jp/