おもしろプロジェクト ~放置竹林の資源化と利用方法の確立~
おもしろプロジェクト ~放置竹林の資源化と利用方法の確立~
2023年度採択プロジェクト「放置竹林の資源化と利用方法の確立」は、工学部の学生達による取組で、放置竹林の問題解決を目的とした竹資源の有効活用を目指しています。
竹を資源化する試みは2000年初頭から様々な方向で進められていますが、費用対効果の問題から進展は限定的です。そこで、竹を大量消費できる方法として、飼料や車・船の複合繊維として活用できるのではないかと考え、本プロジェクトでは「海の砂漠化」などの原因とも言われるムラサキウニの養殖用飼料として活用できないかを検討しました。家畜の飼料と違い魚介類に対しては竹粉を固形化する必要があり、固形化の過程で油分が混ざらない問題に直面しました。そこで過熱水蒸気を用いて竹粉の油分を除去することで成形に成功しましたが、強度がなく水中ですぐに分離してしまう課題が残りました。次に、竹繊維の抽出に化学薬品を使わない過熱水蒸気法を試み、成功しました。また、これら飼料や繊維の加工には過熱水蒸気が必要なため、バイオマスボイラーの開発も行い、安定した温度制御を実現しました。まだどれも実用化には至っていませんが、今後も竹の有効活用に向けて引き続き取り組んでいきます。
(参考)http://ssct.oue.yamaguchi-u.ac.jp/omoprohp/report/2023fin/2023fin03.pdf