地域レジリエンス研究センターの設立と誰一人取り残さない支援モデルの構築
地域レジリエンス研究センターの設立と誰一人取り残さない支援モデルの構築
山口大学は、従来から活動していた「グローカル環境・防災学研究会」「環境DNAセンター」「地域防災・減災センター」をベースに、2023年3月、「地域レジリエンス研究センター」を設立しました。産学公連携した先端技術の融合により、気候変動・パンデミックや高齢化・人口減少などに対する自然環境、インフラ、地域社会のレジリエンス(災害等がもたらす急激な変化からしなやかに回復する強さ)を高めることによって、持続可能な社会システムの構築を目標としています。2024年7月には、内閣府が募集を行った「第2回総合知活用事例」について、創成科学研究科(工学系学域)鈴木素之教授の『安全・安心を実現するSDGsグローカルコミュニティの創成』が選定されました。なお、このテーマは(公財)鹿島学術振興財団の特定テーマ研究助成(③想定外事象から素早く立ち直るための研究)を受けて実施しています。ここでは、自然災害と感染症拡大に対処するため、山口大学常盤キャンパス・小串キャンパスがある宇部市はかつて産官学民が一体となった「宇部方式」で公害問題を解決した実績があり、その経験を活かして、工学と医学の分野横断かつ産学官民が連携した「シン・ウベ方式」を提案しています。このテーマは、個々の高齢者施設や高齢者にカスタマイズされた誰一人取り残さない支援モデルを、住民および宇部市と連携して構築することを目的としています。現在進めている具体的な取り組みは、高齢者の移動支援を通じて災害時の避難行動を支えるオンデマンド交通の導入や、感染症リスクを予測するための日常的なウイルスモニタリング、また、防災・減災活動を支えるコミュニティづくりのための研修などです。この成果が、他の地方都市にも展開されるよう努めていきます。
(参考)
- 内閣府「第2回総合知活用事例」として本学の事例2件が選定されました | 国立大学法人 山口大学
https://www.yamaguchi-u.ac.jp/news/34157/index.html
- 山口大学 地域レジリエンス研究センター
https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~rclr/index.html
- 鹿島学術振興財団