2018年、医学系研究科・医学部附属病院にAIとシステムバイオロジーを両輪として推進するAIシステム医学・医療研究教育センターが設立されました。当センターから未来のデータサイエンス医師の教育の重要性を発信し、ノウハウを樹立し共有することにより、我が国のデータサイエンス医師の競争力を高めることに貢献します。また同時に、医学・医療における医用AIの技術展開を活性化します。現在の医用AIは早期高精度な診断などに応用することができますが、疾患メカニズムの解明にはそれだけでは十分ではありません。疾患という生理現象を理解し、新治療法、新薬を開発するには深い理解が必要です。システムバイオロジーの観点から生理機能のダイナミクスを解析することで、疾患というシステムの動きに着目したあらたな切り口からの理解を深めることができます。当センターはデータサイエンス医師育成におけるシステムバイオロジーの重要性も強調し教育に取り組んでいます。そして、我が国のデータサイエンス医師育成のレベルを引き上げます。
近年のAI(人工知能)やシステムバイオロジーの発展はめざましく、 医学医療分野への応用もすでに始まっています。この大きな時代の変化に対応した医学研究の推進と医療人育成が、大学における大きな課題となっています。COVID-19 は、これまでの医療の在り方を大きく変える原動力となると考えられます。医療の現場における医療スタッフへの感染リスクが顕在化しています。AIやロボットといった新たなシステムの導入が医療体制を守る力の1つとなるでしょう。我々もそのようなうねりの中で次世代の医療を支える技術開発に貢献したいと、気持ちを新たにしています。AIシステム医学・医療研究教育センターは、AI技術を基礎医学ならびに臨床医学(医療)へ実践的に導入することを目的としたセンターとして全国でも先駆けて、2018年4月に山口大学大学院医学系研究科並びに医学部附属病院内に設置されました。AIを用いたデータ駆動型アプローチと並行して、生命機能を1つのシステムとして理解を深めるシステムバイオロジーに基づくモデル主導型アプローチも取り入れます。また、研究だけではなく、AI技術を医学・医療に駆使できる情報系医師の育成を目指した教育も推進しています。
医学系研究科・医学部附属病院にAIとシステムバイオロジーを両立して推進するセンターが設立することは極めて先進的な取り組みです。当センターから未来のデータサイエンス医師の教育の重要性を発信し、ノウハウを樹立し共有することにより、我が国のデータサイエンス医師の競争力を高めることにつなげます。また同時に、医学・医療における医用AIの成功例を示すことで、工学からの医用AI技術展開を活性化します。
現在の医用AIは早期高精度な診断などに応用することができますが、疾患メカニズムの解明には十分ではありません。疾患という生理現象を理解し、新治療法、新薬を開発するには深い理解が必要です。システムバイオロジーの観点から解析を行うことで、疾患というシステムの動きに着目したあらたな切り口からの理解を深めることができます。当センターはデータサイエンス医師育成におけるシステムバイオロジーの重要性も強調し教育に取り組み、かつ普及することで、我が国のデータサイエンス医師育成のレベルを引き上げます。
これまで蓄積されていたにもかかわらず十分に活用しきれていなかったデータを存分に活用して、診療をサポートするAIシステムを構築することで、早期の予測的診断に基づく予防的介入の実施、難治性疾患の治療法の開発と実施、などこれまでにない高精度な医療を提供することができるようになります。基礎研究には、これまで新たな知見の発見を促し、トランスレーショナルリサーチの活性化や新薬・新治療技術創出など研究競争力の向上をもたらします。今後、AIシステムの質が病院の質の評価に大きく影響するようになると言われています。それほど影響力のある技術を、学部生の頃から教育され触れておくことにより、来る将来その技術を駆使してシステム医学と医用AIをリードする人材を山口大学から輩出できるようになります。
AIシステム医学・医療研究教育センターは、山口大学大学院医学系研究科システムバイオインフォマティクス講座、医療情報判断学講座、公衆衛生・予防医学講座、システムズ再生病態医化学講座の技術をコアとして融合し、基礎医学研究力の強化、医療技術の向上、そして、医用データサイエンス教育を強化し、未来の情報医学を担う人材育成を推進します。山口大学附属病院の臨床講座、医学系研究科の基礎講座、さらに学内外のエキスパートと連携し、この目標を達成します。システムバイオインフォマティクス講座とシステムズ再生病態医化学講座は、それぞれコンピューティングと実験の両側面からシステム医学を推進し、これに加え医用AIも駆使しつつ、治療や診断などに応用する新たな技術を創出します。それらの技術を公衆衛生・予防医学講座は個別予防医療と先制医療の推進に、医療情報判断学講座では病院内のシステムとして導入し院内での高精度医療の実践に取り組みます。
AI・機械学習とシステムバイオロジーの技術を融合し、基礎医学研究力の強化、医療技術の向上、そして、将来の情報系医師の人材確保を目指します。具体的には、これまで蓄積されていたにもかかわらず十分に活用しきれていなかったデータを存分に活用して、診療をサポートする AIシステムを構築することで、早期の予測的診断に基づく予防的介入の実施、難治性疾患の治療法の開発と実施など、これまでにない高精度な医療を提供することができるようになります。基礎研究には、これまで新たな知見の発見を促し、トランスレーショナルリサーチの活性化や新薬・新治療技術創出など研究競争力の向上をもたらします。今後、AIシステムの質が病院の質の評価に大きく影響するようになると言われています。それほど影響力のある技術を、学部生の頃から教育され触れておくことにより、来る将来その技術を駆使してシステム医学と医用AIをリードする人材を山口大学から輩出できるようになります。
AI(人工知能)とシステムバイオロジーを融合させ医学医療に応用する研究領域は世界的視野で見ても未だ挑戦性の高い学問領域です。当センターは、個別の研究成果で世界をリードするだけではなく、世界の研究拠点とも連携を深め技術交流をはかり相互のレベルアップをはかります。我々の研究成果は誰でも容易に使えるようにソフトウェアとして実装し、病院のシステムに導入することで臨床展開する計画です。ソフトウェアは連携先への提供も行い、研究フロンティアを前進させます。私たちは、当センターと連携講座・連携機関とともに構築した個別化予測医学プラットフォームを、山口県全体の医学・医療・医学教育の水準の引き上げに、ひいては、国内全域、さらに世界へ展開すること目指します。