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山口大学大学院医学系研究科・山口大学医学部附属病院

AIシステム医学・医療研究教育センター

2018年、医学系研究科・医学部附属病院にAIとシステムバイオロジーを両輪として推進するAIシステム医学・医療研究教育センターが設立されました。当センターから未来のデータサイエンス医師の教育の重要性を発信し、ノウハウを樹立し共有することにより、我が国のデータサイエンス医師の競争力を高めることに貢献します。また同時に、医学・医療における医用AIの技術展開を活性化します。現在の医用AIは早期高精度な診断などに応用することができますが、疾患メカニズムの解明にはそれだけでは十分ではありません。疾患という生理現象を理解し、新治療法、新薬を開発するには深い理解が必要です。システムバイオロジーの観点から生理機能のダイナミクスを解析することで、疾患というシステムの動きに着目したあらたな切り口からの理解を深めることができます。当センターはデータサイエンス医師育成におけるシステムバイオロジーの重要性も強調し教育に取り組んでいます。そして、我が国のデータサイエンス医師育成のレベルを引き上げます。


お知らせ

2025年6月17日
藤田医科大学医学部 医用データ科学講座 吉本潤一郎教授のセミナーが開催されました。
詳細はこちら
2025年5月3日
ホームページをリニューアルしました。
2025年4月1日
羽間康至客員准教授が着任されました。
2025年2月1日
久松慎一特命助教が着任されました。
2021年4月1日
齊藤親特命助教が着任されました。
2021年4月1日
桐谷太郎特命助教が着任されました。
2020年10月1日
中津井雅彦特命教授が着任されました。
2018年4月1日
AIシステム医学医療研究教育センター(AISMEC)が設立されました。
2017年12月1日
安部武志特命助教が着任されました。

センター長挨拶

Director's Image

近年のAI(人工知能)やシステムバイオロジーの発展はめざましく、 医学医療分野への応用もすでに始まっています。この大きな時代の変化に対応した医学研究の推進と医療人育成が、大学における大きな課題となっています。COVID-19 は、これまでの医療の在り方を大きく変える原動力となると考えられます。医療の現場における医療スタッフへの感染リスクが顕在化しています。AIやロボットといった新たなシステムの導入が医療体制を守る力の1つとなるでしょう。我々もそのようなうねりの中で次世代の医療を支える技術開発に貢献したいと、気持ちを新たにしています。AIシステム医学・医療研究教育センターは、AI技術を基礎医学ならびに臨床医学(医療)へ実践的に導入することを目的としたセンターとして全国でも先駆けて、2018年4月に山口大学大学院医学系研究科並びに医学部附属病院内に設置されました。AIを用いたデータ駆動型アプローチと並行して、生命機能を1つのシステムとして理解を深めるシステムバイオロジーに基づくモデル主導型アプローチも取り入れます。また、研究だけではなく、AI技術を医学・医療に駆使できる情報系医師の育成を目指した教育も推進しています。

センター長 教授 浅井義之

センター概要

Science Frame Image

医学系研究科・医学部附属病院にAIとシステムバイオロジーを両立して推進するセンターが設立することは極めて先進的な取り組みです。当センターから未来のデータサイエンス医師の教育の重要性を発信し、ノウハウを樹立し共有することにより、我が国のデータサイエンス医師の競争力を高めることにつなげます。また同時に、医学・医療における医用AIの成功例を示すことで、工学からの医用AI技術展開を活性化します。
現在の医用AIは早期高精度な診断などに応用することができますが、疾患メカニズムの解明には十分ではありません。疾患という生理現象を理解し、新治療法、新薬を開発するには深い理解が必要です。システムバイオロジーの観点から解析を行うことで、疾患というシステムの動きに着目したあらたな切り口からの理解を深めることができます。当センターはデータサイエンス医師育成におけるシステムバイオロジーの重要性も強調し教育に取り組み、かつ普及することで、我が国のデータサイエンス医師育成のレベルを引き上げます。
これまで蓄積されていたにもかかわらず十分に活用しきれていなかったデータを存分に活用して、診療をサポートするAIシステムを構築することで、早期の予測的診断に基づく予防的介入の実施、難治性疾患の治療法の開発と実施、などこれまでにない高精度な医療を提供することができるようになります。基礎研究には、これまで新たな知見の発見を促し、トランスレーショナルリサーチの活性化や新薬・新治療技術創出など研究競争力の向上をもたらします。今後、AIシステムの質が病院の質の評価に大きく影響するようになると言われています。それほど影響力のある技術を、学部生の頃から教育され触れておくことにより、来る将来その技術を駆使してシステム医学と医用AIをリードする人材を山口大学から輩出できるようになります。

Science Frame Image

AIシステム医学・医療研究教育センターは、山口大学大学院医学系研究科システムバイオインフォマティクス講座、医療情報判断学講座、公衆衛生・予防医学講座、システムズ再生病態医化学講座の技術をコアとして融合し、基礎医学研究力の強化、医療技術の向上、そして、医用データサイエンス教育を強化し、未来の情報医学を担う人材育成を推進します。山口大学附属病院の臨床講座、医学系研究科の基礎講座、さらに学内外のエキスパートと連携し、この目標を達成します。システムバイオインフォマティクス講座とシステムズ再生病態医化学講座は、それぞれコンピューティングと実験の両側面からシステム医学を推進し、これに加え医用AIも駆使しつつ、治療や診断などに応用する新たな技術を創出します。それらの技術を公衆衛生・予防医学講座は個別予防医療と先制医療の推進に、医療情報判断学講座では病院内のシステムとして導入し院内での高精度医療の実践に取り組みます。

Pupose Image

AI・機械学習とシステムバイオロジーの技術を融合し、基礎医学研究力の強化、医療技術の向上、そして、将来の情報系医師の人材確保を目指します。具体的には、これまで蓄積されていたにもかかわらず十分に活用しきれていなかったデータを存分に活用して、診療をサポートする AIシステムを構築することで、早期の予測的診断に基づく予防的介入の実施、難治性疾患の治療法の開発と実施など、これまでにない高精度な医療を提供することができるようになります。基礎研究には、これまで新たな知見の発見を促し、トランスレーショナルリサーチの活性化や新薬・新治療技術創出など研究競争力の向上をもたらします。今後、AIシステムの質が病院の質の評価に大きく影響するようになると言われています。それほど影響力のある技術を、学部生の頃から教育され触れておくことにより、来る将来その技術を駆使してシステム医学と医用AIをリードする人材を山口大学から輩出できるようになります。
AI(人工知能)とシステムバイオロジーを融合させ医学医療に応用する研究領域は世界的視野で見ても未だ挑戦性の高い学問領域です。当センターは、個別の研究成果で世界をリードするだけではなく、世界の研究拠点とも連携を深め技術交流をはかり相互のレベルアップをはかります。我々の研究成果は誰でも容易に使えるようにソフトウェアとして実装し、病院のシステムに導入することで臨床展開する計画です。ソフトウェアは連携先への提供も行い、研究フロンティアを前進させます。私たちは、当センターと連携講座・連携機関とともに構築した個別化予測医学プラットフォームを、山口県全体の医学・医療・医学教育の水準の引き上げに、ひいては、国内全域、さらに世界へ展開すること目指します。

To the World

メンバー紹介

運営委員

浅井 義之
浅井 義之  センター長
システムバイオインフォマティクス講座 教授
医学部ならびに附属病院の各講座や各連携先から提供されるデータに基づいて、システム医学および医用 AI の観点から研究を推進すると共に、得られた知見の実用への展開にもチャレンジします。また同時に、そのような具体的な課題に基づいた教育も展開します。
田邉 剛
田邉 剛  副センター長
公衆衛生学・予防医学講座 教授
遺伝因子と環境因子の解析による個別予防医療と、発症前に病気を診断・予測して予防する先制医療を確立すべく取り組みます。
清木 誠
清木 誠  運営委員
システムズ再生病態医化学講座 教授
癌などの疾患部位から採取した複数種類の細胞を単一細胞レベルで実験的解析を行う技術、そして、それらを培養し立体的な組織(3D オルガノイド)を構築し実験的解析を行う技術を確立します。実験システム医学として、新規治療法の開発、薬物の効果の検証などを行います。
伊東 克能
伊東 克能  運営委員
放射線医学講座 教授/放射線部 部長
AIを用いた画像診断支援による診断精度の向上や効率化をはかり、悪性腫瘍の早期発見や予後予測、治療効果判定などにも貢献できる新たな画像診断システムの構築に取り組みます。
平野 靖
平野 靖  運営委員
医療情報判断学講座 准教授/医療情報部 部長
AIシステム医学・医療研究教育センターの研究成果を附属病院の病院情報システムに実装し、臨床での運用に耐えうるAIの運用に取り組みます。
中津井 雅彦
中津井 雅彦  運営委員
AISMEC 特命教授
AIをはじめとした情報学的なアプローチにより、より良い医療を実現するための研究開発を推進します。また、臨床での利活用、および医用・創薬AI研究の知識基盤としての側面から、医療系データベースの充実にも取り組みます。
羽間 康至
羽間 康至  運営委員
AISMEC 客員准教授
AI技術を医療・ライフサイエンス事業の実務で活用し培ってきた知見を活かし、これからの社会課題の解決を担う学生の教育と成長に貢献してまいります。
安部 武志
安部 武志  運営委員
AISMEC 助教
最新の技術を積極的に導入すると同時に、学問としての基礎も大事にしな がら、データ解析、数理モデル構築・シミュレーションを実施します。生理学と数理・情報技術を学ぶ必要があるため大変チャレンジングです。

所属学生

・ 小川 晃東 : 2025年度 自己開発コース
・ 和田 真輝 : 2025年度 自己開発コース

以前のメンバー

・ 石田 博 : 医療情報判断学講座 教授/医療情報部 部長
・ 桐谷 太郎 : AISMEC, AIシステムエンジニア(特命助教)
・ 齊藤 親 : AISMEC, AIシステムエンジニア(特命助教)

以前の所属学生

・ 前田 慧 : 2021年度 自己開発コース
・ 大谷 史門 : 2022年度 自己開発コース
・ 早川 紘太朗 : 2023年度 自己開発コース
・ 池田 浩輔 : 2024年度 自己開発コース