気が付けば、令和元年も3週間がたってしまいました。 異例の10連休も終わり、この間、チコちゃんに叱られそうなボーっとした日々を過ごしておりました。
久しぶりの書き込みです。
連休中は、県外に出ることなく、県内をぶらぶらしておりました。 山口大学教職員、学生は無料という特典を生かし、山口県立萩美術館・浦上記念館で開催中の「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア」に出かけました。数年前にフィンランドに旅行し、その際にマリメッコの本店に立ち寄ったこともあり、懐かしく展示を見ることができました。
実は、私は20数年前に仕事の関係で、冬のフィンランドを訪れたことがあります。ヘルシンキ港は凍結しており、大型客船が港に係留されておりました。
私は、片田舎の原子力発電所を訪問し、廃棄物処分場の実験施設を見学しました。その際に、現地の担当者と話す機会があり、その時のやり取りを思い出しました。当時、皇后だった現在の美智子上皇后が、ストレスのために言葉がしゃべれないような状況が続いておりました。現地の担当者から最初にそのことを聞かれ、その後どうなったかという質問を受けました。聞くと、彼らは日本や日本の皇室に深い関心があり、気にかけているとのことでした。不思議に思って、理由を尋ねた時のやり取りです。
彼が言うには、日本もフィンランドもお互いに資源が乏しく、国の産業を興すには外国と上手に交流しながらやっていくしかない。日本は島国であり、フィンランドには山しかない。その意味では、フィンランドと日本とは似たような環境にあり、親近感を持っているとのこと。日本をお手本にがんばっており、特に学校教育に力を入れているとのことでした。
現在マスコミなどで取り上げられている、ユニークなフィンランドの教育制度の原点はこの頃にあるのかもしれません。特に、外国と交流するためには、英語の教育が必須であり、数年前に行ったときも、市場のおばちゃんからタクシーのドライバーにいたるまでほぼ皆さん英語がしゃべれることにおどろかされました。当時「日本はいかがですか?」と質問され戸惑った記憶があります。
今では、ファッションブランドとして有名なマリメッコ、陶器で有名なアラビア、携帯電話のノキアなど世界的な企業が多くあります。働き方改革も最も進んだ国のひとつといわれています。自国の地形や自然条件などを、理解し、さらに発展するための方策を教育を含めしっかりと議論を行い、他国にはない、新しい取り組みを行っています。20数年前のことですが、久しぶりにマリメッコのデザインを改めてみてみると、すべてがオリジナリティにあふれており、ほとんどが女性の手によるものです。当時、彼らは発展著しかった同じ資源に乏しい日本をお手本としていました。そのことが日本の皇室に関心を示した理由かもしれません。彼らはこの20数年間において飛躍的な発展を遂げております。
現在のフィンランドでは働き方そのものが日本と違っています。北欧では父親が子供を連れて公園で散歩している姿が、あちこちに見受けられます。働くこと、生きがい、ダイバーシティといったキーワードを思い出しました。
皆さんもぜひオリジナリティあふれるフィンランド文化に触れてみてはいかがでしょうか?
20数年前にお会いしたのは、政治家でも大学教授でもない、地方の発電所の一技術者です。 彼が熱く語っていたのを思い出します。現在の日本はどうでしょうか?
山口県立萩美術館・浦上記念館HP: http://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/
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