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周防大島に生息するニラミアマダイの生態について論文を発表しました

周防大島に生息するニラミアマダイの生態について論文を発表しました

山口学研究プロジェクト「周防大島に生息するニラミアマダイの求愛行動の解明」[代表者:共同獣医学部 根本有希 助教]では、ニラミアマダイの繁殖行動や卵の成長を海中で観察した解析結果を、2023年6月のJournal of Fish Biologyに発表しました。

ニラミアマダイは、体長5cm程度の小さな魚で、水深約20mの海底に生息しており、海底に巣穴を掘り、オスが口に卵を咥えながら孵化させる「ジョーフィッシュ」の一種として知られています。

卵を咥えて孵化を促すニラミアマダイ

 

根本助教の研究チームは、周防大島町屋代島に生息するジョーフィッシュ、特にニラミアマダイ(Jawfish, Optistognathus iyonis)の繁殖行動や卵の成長について、3年間観察を行い、以下の項目についての報告を行いました。

・繁殖期間
・産卵の時間帯、様子
・オスが複数の卵を一度に巣穴に保有すること
・卵が孵化するまでの成長日数と水中温度の関係
・卵が孵化する時間帯、孵化にかかる時間
・卵を孵化させるときのオスの口の動かし方

ニラミアマダイの生態に関するこうした報告は世界初のものですが、屋代島が位置する瀬戸内海が閉鎖性海域のため観察がしやすいこと、共同研究者で水中ガイドである小川智之氏が10年以上本種を観察しており、豊富な経験と技術を有していたことにより実現しました。
さらに、上記の観察中にニラミアマダイの新たな行動が見つかっており、今後プロジェクトで詳細を解明していく予定です。
瀬戸内海には数多くの生物が生息しています。
山口県そして周防大島へお越しになり、ニラミアマダイはもちろん、海の生物をぜひ直接ご覧ください。

*今回発表した論文の詳細は以下URLをご確認ください。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jfb.15473

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