「情報リテラシー演習」 第3回 講義ノート


0. Microsoft Word での数式の記述

次の数式をWordの文章上で表現する手段を考える。


Wordで数式を表現する場合、直接入力と「記号と特殊文字」の「数式」の挿入が考えられる。(その他にも、他のソフトで作成した数式を画像として文章中に貼り付ける方法もある。)


1. Word上の数式の記述
1.1. 直接入力
   ・ 「せきぶん」 を変換し、積分記号「∫」を入力する。
   ・ 「むげんだい」 を変換して「∞」を入力する。
   ・ フォントの「文字飾り」の「上付き・下付き」を用いて指数などを表現する。
   ・ 分数は 「/」を使う。

 (直接入力した数式の例)

上の数式の表現には、その他にも、次のような小細工を使っている。
   ・ 「x」、「dx」には、「cmbxti10」というフォントを用いた。
   ・ 積分区間を表す「0」と「∞」は、「上付き・下付き」をそのまま使うとずれてしまうので、「フォント」の「文字幅と間隔」を微調整した。

【注意】(印刷上の数式表現の基本)
sin」、「log」などの定義された関数は「ローマン体」を使用する。
一方、「x」などの変数は、「斜体」、または「イタリック体」を使用する。
「dx」の「d」や虚数単位「i」などは人によって異なる。

1.2. 数式ツール
「挿入」の右端の「数式」から、「数式」を使って入力する。

  (数式ツールによる入力例)

【演習問題】 「数式ツール」を使って次の数式を入力せよ。
(1) 

(2) 

(3) 


2. Microsoft Math
Word 2013 では、「Mathematics」タブから、グラフを描いたり方程式を解いたりすることができる「Microsoft Math」を利用することができる。

2.1. Microsoft Math によるグラフの描画
【例1】 次の数式を入力してみる:
 

数式の入力後、数式ツール・デザインの 「Graph」 から 「Plot in 2D」 を選ぶと、次のようなグラフが描かれる。(ただし、現時点では英語版のみ)


【例2】 陽関数(y=f (x)の形で表された関数)と同様にして、陰関数(陽関数でない関数)のグラフも描くことができる。



【例3】 3次元のグラフを描かせることもできる。




3. 数学記号の入力方法
「数式ツール」の「デザイン」からだけではなく、対応するキーワードにより数式をキーボードから直接入力することもできる。
以下、いくつか例を紹介する。(「スペース」キーは「」で表すことにする)

3.1. 準備
日本語入力モードをオフにした状態で、[Alt]+[Shift]+[=] を押すと数式入力モードになる。
日本語入力モードをオフにした状態で、[Ctrl]+[i] を押すとイタリック体で入力できる。

3.2. 演算子等

× \times \leq \in
÷ \div \geq \subset
 ∙ \cdot \neq \subseteq
\cdots \equiv \cup
± \pm     \cap
 ∓ \mp        


3.3. ギリシャ文字

α \alpha β \beta γ \gamma δ \delta ε \varepsilon
ζ \zeta η \eta θ \theta ι \iota κ \kappa
λ \lambda μ \mu ν \nu ξ \xi π \pi
ρ \rho σ \sigma τ \tau υ \upsilon φ \varphi
χ \chi ψ \psi ω \omega        
Γ \Gamma Δ \Delta Θ \Theta Λ \Lambda Ξ \Xi
Π \Pi Σ \Sigma Φ \Phi Ψ \Psi Ω \Omega


3.4. 上付き・下付き文字
   [x_k”]

   e^(x^2”+y^2”)”]


3.5. 分数
   [2/3"]

   [(\alpha"^2")/(\beta"^2"+\beta"^2")"]

   [1/(1+1/(1+x)")"]


3.6. 根号
   [\sqrt(2)"]

   [\sqrt(1+\sqrt(1+\sqrt(2)")")"]


3.7. 総和記号
   [(\pi"^2")/6"=\sum_(n=1)^(\infty")"1/(n^2")"]


3.6. 極限

   [\lim_(n\to"\infty")"(1+1/n")^n"=e]


3.7. 積分
  [\int_(-\infty")^(\infty")"e^(-x^2")"dx=\sqrt(\pi")"]


4. 本日の課題
【問1】 Microsoft Math を用いて次の関数で表されるグラフを描け。



【問2】 Wordを使って次の文章を作成せよ。 [exer-3_1.pdf]

【問3】 Wordを使って次の文章を作成せよ。 [exer-3_2.pdf]


問3】で作成したファイルに 「2015_05_08」 という名前をつけ、添付ファイルとして提出せよ。
ただし、提出メールの件名は自分のメールアドレスとする。
提出期限: 5月11日(月)24時まで (提出する課題は【問3】だけ)


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