2013年度 数楽工作倶楽部 第3回製作物
小星型十二面体
昨年度作った「菱形三十面体編み」のバリエーションとも考えられるギザギザの紙で編む「小星形十二面体」を製作しました。
小星形十二面体のペーパクラフトはネットでもいろいろと紹介されていますが、製作の手軽さと完成品の精度・強度を考えると、今回紹介する方法がベストだと思われます。
小星形十二面体は、正十二面体から作られる「星形多面体」の一種です。
作り方は、下図のように正十二面体の各面を延長してゆき、面同士の交線で作られる五角錐を元の正十二面体の各面上にのせた立体です。これより、面の数は60枚で全て頂角が36度の二等辺三角形です。また、下右図のように正十二面体の各面に「五芒星」をのせたものとみなすこともできます。
使用するパーツは、「星形二十・十二面体編み」のものと同じですが、今回使用するのは帯の数は半分の6本です。作り方は、基本的に菱形三十「菱形三十面体編み」と変わりませんが、凸型でない分難易度は高いようです。
作り方(画像をクリックすると拡大します) 型紙DL
1. 帯を切り出し、折り目に筋をつけておきます。
2.印刷面が表になるように見て、縦線が谷折り、横斜め線が山折りになるように折ります。(これは印刷面が内側になる編み方です。)
3.印刷面を裏にし、6本のうち5本に、写真のように左から数えて12番目の二等辺三角形に印をつけておきます。
4.12番目の二等辺三角形の上に、別な帯の11番目の二等辺三角形をのせます。(必然的に、13番目の上に11番目の二等辺三角形がのります。)これを繰り返し、写真のように5本の帯で五角錐を作ります。(12番目と11番目の二等辺三角形を軽く接着しておくと作業が楽になります。慣れれば接着しなくても問題なく編めるようになります。)
5.他の帯と交互に交わるように組んでゆきます。このとき、底辺で接する二枚の同じ色の二等辺三角形が表面に現れ、その周りは全て異なる色になることに注意します。言葉では説明が難しいので、下の写真や完成品を参考にしてください。
6.6本目の帯を使い、最初の作った五角錐の周りに5つの五角錐を完成させてゆきます。
7.5のルールに従ってひたすら帯を交互に編みあわせてゆきます。
組み方を間違っていなければ、最後は右下の写真のようにきれいにまとまります。
今回は、編む作業に1時間余りかけ、参加者の三分の一程度が完成させることができました。
完成させるためのコツは、最初に折り目をしっかりつけておくことと、慎重に粘り強く作業をすることです。途中で部品同士を接着してしまうのは、強度のバランスが崩れてしまうのであまりお勧めできません。
全く同じパーツを使って下の写真の正二十面体の星形も作ることができます。ただし、三角錐が尖りすぎているために厚紙を使うとあまりきれいに仕上がりません。右は二等辺三角形を正三角形に変えた部品で編んだモデルです。