研究テーマ

この研究室では「人・防災・地盤・環境」の4つのキーワードを元に、地震や豪雨から市民を護る地盤安全工学の研究を行っています。

地すべりに関する基礎研究

研究室には、変位制御の定圧・定速試験が可能な一号機と、定圧・定速試験、定体積繰返し試験が可能な二号機、の二台のリングせん断試験機があります。これらを用いて、再活動地すべりにおける安定解析、地震で発生する地すべりのすべり面の強度変形特性の解明に関する研究を行っています。

一号機(定圧・定速試験)
二号機(定圧・定速試験)
(定体積繰返し試験)

ため池堤体の内部侵食に関する実験的研究

ため池堤体は、長期にわたる水の浸透の影響で土粒子が流出し、脆弱化している恐れがあります。現在、地盤を再現した模型実験でメカニズムやその影響を研究しています。

ダム浸透水の濁りに関する研究

ダム直下の基礎地盤中の浸透水に含まれる細かい土粒子を、マイクロスコープやXRD(X-ray diffraction:X線回折)を用いて分析しました。他にもダム盛土材料の土を用いて疑似的な浸透水に見立てた濁り水を作製し、濁度の性質についても分析しました。

独立行政法人水資源機構

DEM(個別要素法)を用いた解析

ITASCA社のPFC 6.0という解析ソフトを用いて様々な実験の解析をPC上で行います。実試験では取ることのできないデータを取ることができます。

時間防災学に関する研究

地域特有の自然災害の伝承や記録を解明し、今後の防災に活かす『時間防災学』を展開しています。過去の土石流の発生状況を解明するために、放射性炭素(14C)年代測定法を用いて、土石流堆積物の形成年代を調べています。

土中引抜き試験を用いた補強土に関する研究

ジオテキスタイルや帯鋼といった補強材とリサイクル材料等の地盤材料との引抜き抵抗特性を解明し、補強土への実用化に向けて研究しています。

関門層群に関する研究

山口県にある関門層群という地質を対象に、現地に赴き試料採取を行い、スレーキング試験などの様々な試験を行います。関門層群の諸性質の解明、切土の動態観測や土工材料としての活用を研究しています。