2023.12.27
筋強直性ジストロフィーに対する世界初の根本的治療薬開発 ~医師主導第二相治験により有効性を支持する成果~
山口大学と大阪大学の研究グループは、筋強直性ジストロフィーに対する既存薬エリスロマイシンの有効性を世界で初めて確認しました。この難病は、異常RNAによるスプライシング異常が原因で、根本的な治療法がありませんでした。
研究グループは多施設共同治験を実施し、エリスロマイシンの安全性を確認しました。さらに、病態の原因であるスプライシング異常を改善する効果も明らかにしました。これにより、エリスロマイシンが世界初の筋強直性ジストロフィー治療薬となることが期待されます。
この研究成果は、英国の国際学術誌「eClinicalMedicine」に掲載されました。

- 先進ゲノム編集治療研究部門
- 中森 雅之 (臨床神経学)
- タイトル:Erythromycin for myotonic dystrophy type 1: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
(エリスロマイシンによる筋強直性ジストロフィー治療:多施設共同無作為化プラセボ対象二重盲検比較試験) - 著 者:Nakamori M1,2, Nakatani D3, Sato T4, Hasuike Y2, Kon S5, Saito T6, Nakamura H7, Takahashi MP8, Hida E4, Komaki H7, Matsumura T6, Takada H5, and Mochizuki H2
- 所 属:1. 山口大学 大学院医学系研究科 臨床神経学講座
2. 大阪大学 大学院医学系研究科 神経内科学講座
3. 大阪大学 医学部附属病院 未来医療開発部
4. 大阪大学 大学院医学系研究科 医療データ科学共同研究講座
5. NHO青森病院
6. NHO大阪刀根山医療センター
7. 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター
8. 大阪大学 大学院医学系研究科 臨床神経生理学講座 - 掲載誌:eClinicalMedicine (2024)
- D O I:https://doi.org/10.1016/j.eclinm.2023.102390
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<研究に関すること>
山口大学大学院医学系研究科臨床神経学講座
中森 雅之 教授
TEL: 0836-22-2719/2713
E-mail:mnakamor@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp) - <広報に関すること>
山口大学細胞デザイン医科学研究所(学術研究部ライフサイエンス支援課研究所係)
Tel:0836-85-3065
E-mail:sh088@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)
