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2024.01.26

犬のがんに対する免疫チェックポイント分子阻害抗体医薬(抗PD-1犬化抗体)の適応拡大が期待 ～犬の扁平上皮癌と未分化肉腫に治療が奏効した初報告～

概要


　山口大学共同獣医学部の研究グループは、日本全薬工業株式会社と共同で、犬の悪性腫瘍治療薬「ca-4F12-E6」を開発しました。
　これまでの研究で口腔内メラノーマへの有効性は確認されていましたが、他の腫瘍への効果を明らかにするため、進行した悪性腫瘍を患う犬38頭を対象に新たな臨床試験を実施しました。
解析の結果、扁平上皮癌と未分化肉腫の犬各1頭で腫瘍が完全に消失する「完全奏効」が認められました。また、肺がんの症例でも腫瘍の縮小効果が確認されました。この結果から、同薬が口腔内メラノーマ以外の犬の腫瘍に対する新たな治療選択肢となることが期待されます。
　本研究成果は、2024年1月11日に、韓国獣医学雑誌Journal of Veterinary Scienceに早期公開されました。

関係所員
  • 医・獣トランスレーショナル臨床研究部門
  • 　　　水野　拓也　　（臨床獣医学）
  • 　　　伊賀瀬　雅也　（臨床獣医学）
論文情報
  • タイトル：“Proof-of-concept study of the caninized anti-canine programmed death 1 antibody in dogs with advanced non-oral malignant melanoma solid tumors”
  • 著者名：Masaya Igase, Sakuya Inanaga, Shoma Nishibori, Kazuhito Itamoto, Hiroshi Sunahara, Yuki Nemoto, Kenji Tani, Hiro Horikirizono, Munekazu Nakaichi, Kenji Baba, Satoshi Kambayashi, Masaru Okuda, Yusuke Sakai, Masashi Sakurai, Masahiro Kato, Toshihiro Tsukui, Takuya Mizuno.
  • 掲載紙：Journal of Veterinary Science
  • 公表日：2024年1月11日（オンライン公開）
  • DOI：https://doi.org/10.4142/jvs.23144
お問い合わせ
  • ＜論文の内容に関すること＞
  • 　山口大学共同獣医学部臨床病理学分野
  • 　教授 水野拓也（みずの たくや）
  • 　〒753-8515 山口市吉田 1677-1
  • 　E-mail : mizutaku@（アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp）
  • 　関連 URL：https://mizutakuvet.com/
  • ＜広報に関すること＞
  • 山口大学細胞デザイン医科学研究所（学術研究部ライフサイエンス支援課研究所係）
  • Tel：0836-85-3065
  • E-mail：sh088@（アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp）

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