2025.07.24
新規基材CY-1を使用した他家 “凍結保管” 線維芽細胞シート移植による治療効果をマウス皮膚潰瘍モデルとラット食道縫合モデルで証明 ~山口大学とセントラル硝子株式会社との共同研究~
概要
【凍結保管可能な他家線維芽細胞シートが難治性潰瘍治療に効果】
山口大学とセントラル硝子株式会社の研究グループが、共同開発した新規基材「CY-1」を用いた他家凍結保管線維芽細胞シートの治療効果を報告しました。この細胞シートは、大量製造後に凍結保管が可能で、必要な時に解凍して移植できるため、再生医療のコスト削減に貢献します。
研究では、マウス皮膚潰瘍モデルとラット食道縫合モデルにおいて、この細胞シートが優れた治療効果を示すことを確認。CY-1を使用することで、細胞シートの作製から移植までをシームレスに行える方法も確立しました。
本研究成果は、難治性潰瘍治療の新たな選択肢として期待され、早期の臨床応用を目指し、現在も共同研究が進められています。


関係所員
先進細胞治療研究部門
濱野 公一(器官病態外科学)
上野 耕司(器官病態外科学)
高見 太郎(消化器内科学)
論文情報
- マウス皮膚潰瘍モデル
- タイトル:Wound-healing effects of frozen-thawed allogeneic fibroblast sheet transplantation and xenogeneic fibroblast cell sheet transplantation cultured on a new substrate
- 著 者:Yutaro Suto, Koji Ueno, Hiroshi Kurazumi, Wataru Kawai, Keita Yoshida, Koji Harada, Tomoko Kondo, Tomoaki Murata, Taro Takami, Kimikazu Hamano
- 掲載誌:Tissue and Cell
- 掲載日:2025年3月28日
- DOI:https://doi.org/10.1016/j.tice.2025.102888
- ラット食道縫合モデル
- タイトル:Development of Frozen-thawed Allogeneic Fibroblast Sheets for Esophageal Anastomotic Leakage
- 著 者:Ryunosuke Sakamoto, Koji Ueno, Yoshihiro Takemoto, Hiroshi Kurazumi, Yuya Tanaka, Keita Yoshida, Wataru Kawai, Atsunori Oga, Taro Takami, Kimikazu Hamano
- 掲載誌:Surgery
- 掲載日:2025年7月12日
- DOI:https://doi.org/10.1016/j.surg.2025.109538
お問い合わせ
<研究に関すること>
山口大学大学院医学系研究科器官病態外科学講座
助教 上野 耕司(うえの こうじ)
Tel:0836-22-2261
E-mail:kjueno@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)
研究者情報:https://researchmap.jp/7000022357
<広報に関すること>
山口大学細胞デザイン医科学研究所(学術研究部ライフサイエンス支援課研究所係)
Tel:0836-85-3065
E-mail:sh088@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)