日本語 EN 中文

2025.09.29

犬の膀胱がんにおける「乳酸代謝と免疫応答制御」の新たな仕組みを解明―腫瘍代謝を標的とした新しい治療戦略への可能性―

概要
山口大学大学院共同獣医学研究科の伊賀瀬雅也助教、水野拓也教授らの研究グループは、犬の浸潤性尿路上皮がん(iUC)において、腫瘍細胞が排出する「乳酸」が抗腫瘍免疫を抑制する分子メカニズムを、東京大学などとの共同研究により解明しました。犬iUCは制御性T細胞(Treg)の浸潤が多いことが知られていましたが、本研究で乳酸排出トランスポーターMCT4の発現が、HER2遺伝子発現およびTreg浸潤数と正の相関を示すことを明らかにしました。本成果は、犬iUCの新たな治療法開発に繋がることが期待されます。


関係所員
医・獣トランスレーショナル臨床研究部門
     伊賀瀬雅也助教(臨床獣医学講座)
     櫻井優准教授 (病態制御学講座)
     水野拓也教授 (臨床獣医学講座)

論文情報
論文名:Lactic acid regulates antitumor immunity in canine invasive urothelial carcinoma
掲載誌:PLOS ONE
発表日:2025年9月18日(オンライン掲載)
著 者:加藤大樹、岡内菜央、茂木朋貴、櫻井優、前田真吾、加藤大貴、中川貴之、内田和幸、
水野拓也、伊賀瀬雅也
DOI:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0332825

お問い合わせ
<研究に関すること>
山口大学大学院共同獣医学研究科
助教 伊賀瀬 雅也
Eメール:m.igase@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)
<広報に関すること>
山口大学細胞デザイン医科学研究所(学術研究部ライフサイエンス支援課研究所係)
Tel:0836-85-3065
E-mail:sh088@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)

Back