山口地区化学工学懇話会

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会長挨拶

 令和7年度より山口地区化学工学懇話会会長を拝命いたしました、東ソー株式会社南陽事業所の松村でございます。会誌発行にあたり、巻頭にてご挨拶申し上げます。
 近年、私たちを取り巻く世界情勢は、かつてないほど不確実性を増しています。ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルと周辺地域で続く紛争など、地政学的な緊張が世界規模で高まっています。これらの影響は、エネルギーや原材料の安定供給に大きな不安をもたらし、グローバルなサプライチェーンの再構築や、経済活動全体にも波及しています。また、気候変動への対応やカーボンニュートラルの実現といった地球規模の課題も、国際社会が一丸となって取り組むべき重要なテーマとなっています。加えて、AIやデジタル技術の急速な進展も、産業構造や働き方、社会の在り方そのものに大きな変化をもたらしています。
 このような状況下で、山口地区化学工学懇話会は、産学官の垣根を越えた自由闊達な情報交換の場として、長年にわたり地域の化学産業の発展と持続可能な社会の実現に貢献してきました。セミナーや見学会を通じて、会員相互の交流と知見の共有を図っていくことは、今後ますます重要性を増していくものと考えております。
 また、山口県内外の化学産業や大学・研究機関においても、カーボンニュートラル技術の開発や省エネルギー、資源循環、デジタル技術の活用など、社会実装を意識したさまざまな取り組みが進められています。これらの動きは、地域の産業競争力の強化や、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩であり、今後も産学官が連携し、現場の課題解決に直結する知恵と技術の集積が求められます。
 さらに、次世代を担う若手や学生の皆さんの参画も、懇話会活動の大きな柱です。多様な視点や新しい発想を積極的に取り入れ、自由闊達な議論を通じて、地域の化学工学分野のさらなる発展に貢献していきたいと考えております。若手人材の育成や、異分野との連携による新たな価値創出も、今後の大きなテーマとなるでしょう。
 今後も、研究成果や技術開発を現場や社会に根付かせる「社会実装」の推進を意識し、会員の皆様とともに、地域の課題解決や新たな価値創出に取り組んでまいります。懇話会が、会員の皆様にとって有意義な交流と学びの場となるよう、微力ながら尽力してまいります。
 結びに、会員の皆様のご健勝とご活躍、そして本懇話会の益々の発展を心より祈念いたしますとともに、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

以  上

山口地区化学工学懇話会 会長
東ソー株式会社 南陽事業所 副事業所長
松村 善則

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