One Welfare教育研究センター|山口大学 共同獣医学部

センターについて

目的

 One Welfare国際研究センターは、人と動物のウェルビーイング(幸福感)を一体的に捉えた新たな手法・視点による異分野融合研究を推進する拠点を整備することで、人と動物がよりよく共生できる社会の実現に貢献することを目的としている。

概要

 近年、猛威を振るい続けてきた新型コロナウイルス感染症をはじめ、新興感染症のほとんどが人獣共通感染症であり、対策が急務である。人と動物(家畜、愛玩動物、野生動物の別を問わず全ての動物)の健康と環境の健全性は、生態系の中で相互に密接につながり、強く影響し合う一つのもの「ワンヘルス」(One Health)であり、これらの健全な状態を一体的に守らなければならない。このワンヘルスという概念は既に定着し、医学・獣医学など多分野の横断的な連携(ワンヘルス・アプローチ)による研究が推進されている。このワンヘルスという考え方がさらに進化を遂げ、ワンウェルフェア(One Welfare)という考え方が提唱され始めている。これは健康だけではなく生活の質や心身のウェルビーイングは、人と動物双方にとって大切なことであり、それ自体も連動しているという概念である。即ち、これからは、健康は一つであるという考え方から、健康と同時に福祉も一つであるという考え方に進化させる必要がある。人獣共通感染症をはじめとする人、動物、環境に関わる問題を解決するためには、新たな概念を導入した教育研究を推進し、我が国のみならず、アジア・アフリカの発展にも寄与するグローバル人材の育成が必要である。そのために「One Welfare国際研究センター」を設置し、産学公連携研究拠点としての機能の充実及び教育研究の強化のための組織改革を進めている。山口県から我が国におけるワンウェルフェア研究の推進を加速化させることを目指している。

組織

 One Welfare国際研究センターに「研究推進室」および「部門」を置き、ワンウェルフェア・アプローチによる教育研究活動を展開し、国内外の関係機関及び学内他部局と連携を図るための拠点として活動を行っている。

研究推進室

 One Welfare国際研究センター内及び以下4部門間へ①研究内容及び研究活動への導入に向けた提案・助言、②新たな概念についての意識啓発・情報提供等の連絡調整を行う。

部 門

○人獣共通感染症部門:医学・獣医学連携を基盤とした分野横断的な感染症研究の推進。

○法獣医学部門:法獣医学分野の教育研究、新たな学問領域の構築。

○動物介在活動部門:地域社会と連携したホース・アシステッドセラピー等の動物介在活動。

○国際協力部門:世界展開力強化事業によって築かれた、ケニアを中心としたアフリカ諸国、インドネシアを中心とした
        ASEAN諸国との連携を活用した教育研究。