世界初!タンパク質修復のための遺伝子誘導メカニズムを解明 ~神経変性疾患やがんの治療法開発に期待~
わたしたちは加齢とともに様々な病気に罹患しやすくなります。細胞レベルでも、加齢は細胞機能の低下を導き、多様な異常に適応できなくなります。細胞内の構成成分のうち最も多いタンパク質は、加齢とともに異常な立体構造を持つタンパク質が蓄積するようになり、アルツハイマー病などの神経変性疾患を罹患しやすくなります。
このたび、山口大学大学院医学系研究科医化学講座の中井彰教授、瀧井良祐助教らを中心とした研究グループが、細胞内の異常タンパク質を修復するための遺伝子誘導メカニズムを世界で初めて発見しました。さらに、熱ショック転写因子1(HSF1)とシュゴシン(SGO2)の複合体が形成できない条件下では、異常タンパク質の蓄積の亢進とそれによる細胞死の増加が引き起こされました。この複合体の発見は、加齢と関連する神経変性疾患などの治療薬の開発に結びつく可能性があります。
本成果は、分子生物学領域で権威あるヨーロッパの科学雑誌『EMBO Journal』の電子版(10 月28 日付け)に掲載されました。
詳しくはこちらをご覧ください。