整形外科学講座の坂井孝司教授及び附属病院リハビリテーション部の西田周泰助教が企業と共同開発した模擬骨の製品化の発表と記念の講演が開催されました
11月10日(木)、大学院医学系研究科医学専攻整形外科学講座の坂井孝司教授及び医学部附属病院リハビリテーション部の西田周泰助教が企業と共同開発した模擬骨について、製品化の発表と記念の講演が開催されました。
近年、医療分野でのシミュレータを用いた教育は、新人医療従事者の慣れない実技によるリスクの軽減や、多くの医療従事者が均一な診療技術を効果的に習得できること等から急速に拡大しており、より生体に近い医療用シミュレータが求められてきました。
坂井教授らの研究グループは、株式会社タナック(岐阜市)が独自開発した超柔軟ゲル素材を用いて、より生体に近い質感を再現した皮膚、骨、臓器、血管などの医療用シミュレータを共同開発し、このたび模擬骨の新製品の発表を行いました。
記念講演では、坂井教授と西田助教が「模擬骨を含む3Dシミュレータの有用性と可能性」と題して、日本の医療の現状と共同開発した模擬骨について詳しく紹介しました。
本学整形外科講座では以前より、医獣工産学連携により実際の患者さんの医用画像を用いた人体モデリングによるVirtual Realityやコンピューターシミュレーション解析で国際共同研究を行ってきました。2019年よりタナック社とともにそのデータを使用し、実人体に近い日本人サイズのボーンモデルの作製を目指して、脊椎、骨盤、上肢および下肢などすべての整形外科関連部位で男女や体格を考慮した模擬骨を共同開発し、このたび人体に近い模擬骨の製品化に大きく貢献しました。複数の日本人サイズのシミュレータを作成することで、より実践的な手術トレーニングができ、患者さんへの詳細な説明に用いることができるようになりました。今後は日本人サイズにあった医療機器開発への展開が期待されます。