山口大学医学部 大学院医学系研究科・医学部

医学部3年生の中矢匠海さんが第3回計算論的精神医学研究会において「優秀発表賞」を受賞

令和8年3月4日(水)に開催された「第3回計算論的精神医学研究会」において、医学科3年生の中矢匠海さんが優秀発表賞を受賞しました。今回の成果は、学生自身が主体的に研究に取り組むカリキュラム「自己開発コース」での研究によるものです。

本研究では、がん患者さんの心のケアを行う「CALM療法」をAIで支援することを目指しています。中矢さんは、この研究をシステムバイオインフォマティクス講座に所属しながら、AISMEC(AIシステム医学・医療研究教育センター)と高次脳機能病態学講座との共同研究として進めました。

以前より、精神科医である高次脳機能病態学講座の松原敏郎准教授が、患者さんとの面談時の会話内容を分析し、患者さんの状態を把握するために会話を経験に基づいて4領域に分類していました。そのデータを基に、AISMECの中津井雅彦教授が、会話をテキストデータ化し、AI解析を用いて客観的に分類するという研究を先行して行っていました。中矢さんはこの研究に、新たに音声データを加え、声の抑揚やトーンなどから得られる感情の情報も含めてAI解析し、会話を分類する新モデルを開発しました。

中矢さんの研究でテキストデータに加えて音声データも用いたことで、全体的な分類精度の向上に成功しました。先行研究では、感情が大きく関わると考えられる「人生の意義や目的について(領域3)」や「未来や生と死について(領域4)」の心理評価の分類精度が低かったのが課題でしたが、新モデルでは特にその領域3と領域4で分類制度が大きく向上しました。

この技術は、将来的に患者さんとの面談時における客観的な対話評価や、精神科医のカウンセリングのトレーニングなどに役立つことが期待されています。また、計算論的精神医学という新しい分野における研究の基盤ツールとして、研究の活性化に役立つことが期待されます。

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