山口大学大学院創成科学研究科 若手先進教授 西形 孝司らのグループが「戦略的創造研究推進事業 先端的カーボンニュートラル技術開発(ALCA-Next)」に採択
現在使われているプラスチックは、非常に安定で便利であり、我々の生活を豊かにしたゲームチェンジングテクノロジーだった技術です。しかし、安定すぎる構造のため、化学資源として再利用するケミカルリサイクルには不向きであり、その使用後は埋め立てられるか焼却処分され、自然環境破壊や二酸化炭素増加を引き起こしています。この地球規模での問題に対し、G7ではプラスチックによる汚染を2040年までにゼロにする声明を2023年4月に発表しました。この要望を達成するためには、プラスチックの炭素資源を完全に循環できるような画期的な技術開発が必要です。
山口大学大学院創成科学研究科 若手先進教授 西形 孝司(研究代表)は、日本工業大学 准教授 小池 隆司、産業技術総合研究所 主任研究員 谷口 剛史らとともに、上記難題を克服するために、「電子応答性コアブロック搭載材料の資源循環」というプラスチックの分子構造を根本から見直すことで新しいケミカルリサイクル技術を発見しました。この技術提案は国が展開する事業である「国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業先端的カーボンニュートラル技術開発(ALCA-Next)(資源循環領域)」に採択され、11月中旬より受託研究として本格的に研究がスタートします。ALCA-Nextは、カーボンニュートラルへ大きく貢献し、科学技術パラダイムを大きく転換すると認められた優れた研究課題を採択するものであり、本提案の独創的な資源循環技術がカーボンニュートラル化へ大きく貢献できる点が認められました。
山口大学ではグリーン社会推進研究会を通して、地球規模の環境問題を山口の地から解決を試みており、本受託研究もその一環で行われます。
【ポイント】
・プラスチック資源循環の新提案が JST の受託研究として採択
・現在使われているプラスチック(高分子材料)にケミカルリサイクル性を付与
・焼却廃棄されていたプラスチックの炭素資源を完全循環
【概要】
今回の提案は、山口大学グリーン社会推進研究会会員である西形らのグループによる提案が国の受託研究(ALCA-Next)に採択されたものです。現在の高分子材料 (プラスチック)は、機能重視のためケミカルリサイクル性はほとんどなく、その多くが焼却され温室効果ガスの発生源となっています。そこで、本研究では、電子的な刺激により容易に分解できるコアブロックを汎用高分子に搭載することで、現在使われている多くの高分子材料にケミカルリサイクル性を付与する技術を開発します。すなわち、現在使われている高分子材料に分解性をプログラムできる技術です。この一連の資源循環技術「コアブロックテクノロジー(CoreTech)」で、カーボンニュートラル化に貢献します。
研究の詳細については、別紙をご参照ください。
●この件に関する詳細は下記までお問い合わせください。
山口大学大学院創成科学研究科応用化学分野
担当者:西形 孝司
〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1
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E-mail: nisikata@yamaguchi-u.ac.jp