山口大学大学院創成科学研究科 准教授 川本 拓治が「革新的 GX 技術創出事業(GteX)」に採択
革新的な次世代蓄電池技術開発は,2050年カーボンニュートラルを実現する上での最重要技術の一つです。リチウムイオン電池(LIB)に代表されるバッテリーの安全性と信頼性に対する要求は年々高まっており,イオン伝導性を示す電解質材料として,カーボネートなどの有機溶媒に支持電解質を溶解して得られる電解液を使用するのが一般的です。しかし,電解液の液漏れや溶媒の揮発性,発火などが問題であり,安全かつ高性能な固体高分子電解質(SPE)の開発が必要です。
山口大学大学院創成科学研究科 准教授 川本 拓治(研究代表)は,上記難題を克服するために,「主鎖型高分子シングルイオン伝導体」という“安全な”車載用バッテリーへの展開が期待できる基礎技術の種を発見しました。この技術提案は国が展開する事業である「国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)革新的 GX 技術創出事業(GteX)(蓄電池領域)」に採択され,10月より受託研究として本格的に研究がスタートしました。GteXは,グリーン成長戦略の定める 14 分野につながり,日本のアカデミアの将来的な貢献が大きく期待できると認められた優れた研究課題を採択するもので,本提案の独創的な次世代蓄電池技術がカーボンニュートラル化へ大きく貢献できるとして認められました。
山口大学ではグリーン社会推進研究会を通して,地球規模の環境問題の解決を山口の地から試みており,本受託研究もその一環で行われます。
【ポイント】
・次世代蓄電池技術開発の新提案がJSTの受託研究として採択
・主鎖型高分子シングルイオン伝導体による固体高分子電解質(SPE)の開発
・安定性,耐熱性に優れた車載電池への応用
【概要】
今回の提案は,山口大学グリーン社会推進研究会会員である川本拓治准教授による提案が国の受託研究(GteX)に採択されたものです。
現在の蓄電池は,カーボネートなどの有機溶媒に支持電解質を溶解して得られる電解液を使用するのが一般的ですが,液漏れや溶媒の揮発性,発火などが問題となっています。そこで,本研究では,新規な固体高分子電解質(SPE)を開発することを目的としています。SPEの安定性,耐熱性を向上させる技術により,高機能な蓄電池開発が可能となりカーボンニュートラル化に貢献します。
研究の詳細については、別紙をご参照ください。
●この件に関する詳細は下記までお問い合わせください。
山口大学大学院創成科学研究科応用化学分野
担当者:川本 拓治
〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1
TEL:0836-85-9273
E-mail: tak102@yamaguchi-u.ac.jp