Field Top Message部会長 ご挨拶
この度、山口大学グリーン社会推進研究会に、9 番目の部会として「半導体・情報応用部会」を新設いたしました。かつて「産業のコメ」と呼ばれた半導体は、製造技術のたゆまない革新により、飛躍的な集積度と処理性能の向上を遂げました。今や産業活動に留まらずスマートフォンから自動車に至るまで、我々の日常生活にも不可欠な存在となっています。昨今の人工知能(AI)ブームも、このロジック半導体の進化なくしては実現し得ませんでした。しかし、処理能力の向上は消費電力の増大を招いています。電力エネルギー損失として発生する「熱」のマネジメントは、AIやデータセンター運用における最大の課題の一つです。一方、システム技術者の視点では、演算能力の向上は「実時間処理能力の飛躍的な拡大」を意味します。ロボティクス分野では、センサ情報を瞬時に解析し、次の行動指令をリアルタイムで生成することが可能となりました。最先端領域では、人間の脊髄反射のような即応的な動作制御の研究も進んでおり、ヒューマノイドロボットが汎用的な労働力を担う未来も現実味を帯びてきています。本学には、高耐圧・低損失なワイドギャップ化合物半導体やスピントロニクスといった「素子開発」のエキスパートと、AIアルゴリズムやロボティクス・メカトロニクスといった「システム応用」の研究者が共存しています。本部会では、売れ筋の応用を見据えた「システム」を構想し、それを実現する「アーキテクチャ・ソフトウェア」や低消費電力の「デバイス」を開発することで、グリーン社会の実現に貢献していきたいと考えております。「デバイス」から「システム」までを一貫してカバーできる本学の知見は、関連事業を展開される企業の皆様にとって強力な推進力になると確信しております。ぜひ本部会にご参加いただき、新たな価値創造と情報交換の場としてご活用いただければ幸いです。
半導体・情報応用部会長
藤井 文武