山口大学教育学部音楽教育選修 山大音研

卒業生の声

令和7年度卒業 橋爪 謙介

橋爪 謙介 令和7年度卒業  この春、私は4年間の学びを終え、目標としていた中学校の音楽教諭として教壇に立ちます。今改めて、音楽教育選修(通称:音研)で過ごした日々を振り返っています。
 1年生の頃の私は、期待よりも大学生活への不安に支配されていました。専門的な講義、実技の研鑽、そして一人暮らしという環境の変化。日々の授業についていくのが精一杯で、自分の未熟さに立ちすくむことも少なくありませんでした。しかし、そんな私を救い出してくれたのは、音研ならではの温かな環境でした。共に切磋琢磨する同級生、廊下や部屋ですれ違うたびに優しく声をかけてくれる先輩方、そして先生方。家族のように距離の近い「音研」という場所があったからこそ、私は周囲に助けを求める勇気を持つことができたと思います。
 2年生になると、専門性はさらに深まり、「教育」を具体的に捉える授業が増えていきました。特に苦戦したのは、それまで一度も書いたことのなかった「学習指導案」の作成でした。自分がこれまで感覚的に捉えていた音楽を、いかにして論理的な言葉に置き換え、生徒の学びに繋げていくのか。これまでは「自分がどう表現し、どう楽しむか」を追求すれば良かった音楽が、「子どもたちの心に何を響かせ、何を育むか」という視点への転換を迫られたのです。音楽を授業として成立させることの難しさに、教職という道の険しさを痛感した時期でもありました。
 それらに対して、自分なりの確かな答えを見つけ始めたのが、3年生での本格的な教育実習です。そこで私は、子どもとの関わり方の癖や、授業づくりの未熟さを突きつけられると同時に、「教わる側」から「教える側」へと、自分の中の視点が明確に切り替わる瞬間を経験しました。実習を通して肌で感じたのは、音楽の授業とは単に歌唱や奏法の技術を習得させるだけの場ではないということです。音楽を通して、子どもたちが自分自身の価値を認め、それと同時に他者を思いやる心を育むこと。正解のない問いが続く変化の激しい社会において、仲間と協力しながらたくましく生きていく資質・能力を育てること。それこそが、教員としての真のゴールなのだと実感しました。
 4年生になり、教員採用試験という大きな試練に立ち向かう際、再び私を支えてくれたのは音研の仲間でした。先生方の手厚いご指導はもちろん、試験対策では先輩方のアドバイスを仰ぎ、時には後輩たちにも様々な場面で協力してもらいました。この「縦の繋がり」があったからこそ、最後まで折れずに走り抜くことができたのだと感じています。 卒業を控えた演奏試験や卒業論文の執筆など、過酷な時期もありましたが、隣には常に励まし合える同級生がいました。誰かが苦しい時には手を差し伸べ、喜びは全員で分かち合う。そんな音研の仲間がいたからこそ、乗り越えることができました。
 「音楽が好き」という純粋な気持ちを抱き、その魅力を伝えたいと願う受験生の皆さん。ぜひ、この温かな学び舎で、あなただけの音楽教育の形を探してみてください。「音研」で、皆さんが素晴らしい一歩を踏み出すことを応援しています。

PAGE TOP