第129回日本眼科学会総会 学会報告
H先生
2025年4月17日から20日まで東京国際フォーラムで開催された第129回日本眼科学会総会に参加いたしました。
山口大学眼科からは、網膜のミュラー細胞に関連した基礎実験の結果や加齢黄斑変性に対する当科での治療成績について発表を行いました。
また個人的には、今回は主に緑内障関連のセッションを聴講しました。日内変動と内因性メラトニンの関係や、AGEs(最終糖化産物)と角膜生体力学的特性との関連など、基礎的な視点から緑内障病態を考える研究が取り上げられており、非常に新鮮でした。また、配合剤の使用と老視や術後高眼圧への対応といった、日常診療に直結する話題も多く、臨床現場で意識すべき点を改めて確認することができました。
さらに、プリザーフロマイクロシャントを中心とした手術関連の演題も拝聴しました。小児緑内障へのマイクロシャント応用や、隅角手術既往が術後経過に与える影響、PAP(プロスタグランジン関連眼窩周囲症)の関与など、実際の症例を通じた報告が多く、今後の治療選択を考える上で非常に参考になりました。プリザーフロマイクロシャント手術後の眼圧変化や炎症反応に関する報告もあり、術後フォローの重要性について再認識しました。
今回が入局後初めての全国学会参加となりました。まだ専門的な内容を十分に理解できていない部分もありましたが、最前線で活躍されている先生方の発表に触れることで、自分がこれから学んでいくべき方向性や課題を具体的にイメージすることができました。普段の診療で接する疑問が、研究の形で深く掘り下げられているのを目の当たりにし、学会でしか得られない刺激を受けました。
今回得られた学びを日々の診療に少しずつ活かしながら、今後も研鑽を積んでいきたいと思います。
