第45回 やまぐち眼科フォーラム
- 日時
- 2026年07月09日(木)18:00~20:00
- 場所
- KDDI維新ホール
- 詳細
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- 特別講演1
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座長:山口県眼科医会 会長 / 鈴木 克佳 先生
「緑内障長期データからみえてくるもの」
岐阜大学医学部附属病院 眼科 臨床准教授 澤田 明 先生 - 特別講演2
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座長:山口大学大学院医学系研究科眼科学 教授 木村 和博 先生
「網膜色素変性に関する最近のトピックス」
宮崎大学医学部感覚運動医学講座 眼科学分野 教授 池田 康博 先生
T先生
令和8年7月10日、KDDI維新ホールにて「第45回やまぐち眼科フォーラム」が開催されました。
特別講演1では、岐阜大学医学部附属病院眼科 臨床准教授の澤田明先生をお招きし、「緑内障長期データからみえてくるもの」と題してご講演いただきました。
緑内障は、一度治療を始めても完全に治る病気ではなく、長期にわたって付き合っていく必要があります。そのため、定期的な検査と治療を続けながら、見える範囲の障害が進むスピードをできるだけ緩やかにすることが大切であるとお話しいただきました。
講演では、長年にわたり緑内障診療に携わってこられたご経験をもとに、日々の診療で重要となるポイントを分かりやすくご紹介いただきました。
近年は、目の奥の状態を詳しく調べる光干渉断層計(以下、OCT)という検査機器が進歩し、緑内障をより早く、正確に診断できるようになっています。一方で、機器による検査結果だけでなく、医師が目の奥にある視神経の状態を直接確認することも、今なお非常に重要であると教えていただきました。
また、緑内障の検査では、眼圧だけでなく、角膜の厚さや目の形など、患者さん一人ひとりの特徴を考慮して判断する必要があります。視野検査についても、検査中の患者さんの状態によって結果が影響を受けることがあるため、検査結果をそのまま受け取るのではなく、信頼できる結果かどうかを確認することが大切です。
さらに、一般的な検査プログラムだけでは視線の中心付近にある小さな異常を見つけにくい場合があります。そのため、必要に応じて中心部分をより詳しく調べるプログラムを組み合わせて行うことが重要であり、初期の段階から確認しておくことが、その後の経過観察にも役立つとのことでした。
講演の最後には、緑内障患者さんを長期間追跡したデータについてもご紹介いただきました。20年間経過をみた患者さんの多くは失明せずに生活されていましたが、緑内障の種類によっては進行しやすいものもあり、より注意深い治療と経過観察が必要であることを学びました。
今回の講演では、緑内障診療の最前線で長くご活躍されている澤田先生の豊富なご経験をもとに、日常診療に役立つ多くのポイントを分かりやすくお話しいただきました。 今回ご教示いただいた内容を今後の診療に生かし、患者さん一人ひとりに応じた丁寧な診療に努めてまいります。
澤田先生、このたびは貴重なご講演をいただき、誠にありがとうございました。
J先生
令和8年7月9日にKDDIホールで第45回やまぐち眼科フォーラムが開催されました。特別講演では、宮崎大学医学部感覚運動医学講座の池田康博教授より、「網膜色素変性に関する最近のトピックス」と題してご講演いただきました。
網膜色素変性は、目の中で光を感じる網膜の細胞が遺伝的な原因により少しずつ働きを失っていく病気で、国内には約3万人の患者さんがいると推定されています。近年、原因となる遺伝子の研究が進み、80種類以上が明らかになっているとのことでした。
この病気に関する診療の目安となるガイドラインは本年2月に改定され、最新の研究成果が反映されました。現時点では病気の進行そのものを止める飲み薬やサプリメントはまだ確立されていませんが、進行を遅らせる可能性がある薬剤について、海外を中心に大規模な臨床試験が進められている段階であるとのご紹介がありました。。
また、網膜色素変性の患者さんは白内障を若い年齢で発症しやすいこと、白内障手術の際にはあらかじめ網膜の状態を詳しく調べておくことが良好な見え方を保つうえで大切であること、手術後には後発白内障や黄斑のむくみといった合併症に注意深く経過をみていく必要があることなど、日常診療における注意点についてご教示いただきました。
遺伝子解析の技術は近年急速に進歩しており、以前に比べて低コストで詳しく調べられるようになってきています。2023年からは一部の患者さんを対象に、原因遺伝子を調べる検査が保険適用となりました。また、全国の医療機関で集めた検査結果や治療経過のデータを蓄積する仕組みも進んでおり、将来的な治療法開発に役立てられることが期待されています。
池田教授ご自身は、原因となる遺伝子の種類によらず網膜の細胞を保護することを目指した新しい遺伝子治療の研究にも取り組んでおられ、これまでの臨床研究では治療の安全性が確認されるとともに、視機能の低下を緩やかにできる可能性を示す結果が得られているとのことでした。今後さらに研究を重ね、実用化を目指しておられるとのお話でした。
本講演を通じて、網膜色素変性症をめぐる最新の研究動向について、体系的に学ぶ貴重な機会となりました。この度はご講演いただき誠にありがとうございました。

