まちの減災ナース特設ページ

プロジェクト概要

まちの減災ナース育成研修を通じた地区防災福祉コミュニティ形成プロジェクト

ご挨拶

私たちは、山口大学地域レジリエンス研究センター防災・減災グループの保健衛生部門とリスクマネジメント部門合同で、「まちの減災ナース育成研修を通じた地区防災福祉コミュニティ形成プロジェクト」に取り組んでいます。

気候変動の影響による災害の多発、新型コロナウイルス等の感染症流行、さらには南海トラフ巨大地震、首都直下型地震等の発生が予測されており、災害から人命と健康をいかに守るかが喫緊の課題となっています。2024年元旦に発生し壊滅的被害をもたらした能登半島地震は、その後9月の能登半島豪雨に重なってさらに甚大な悲劇をもたらす複合災害となり、高齢化と過疎化が進行する能登地域の人びとに大きな打撃を与えています。このような事態は、私たちにとって決して他人事ではない時代にあります。

プロジェクトは2021年から開始し、地域在住の専門職・非専門職を含む人材と住民の協働により、日常と災害時をつなぐ地区防災福祉コミュニティづくりを、まちの減災ナースの育成を通して目指すという取り組みを行ってきました。

東日本大震災後、防災における地域コミュニティの重要性が再認識され、2013年災害対策基本法の一部改正に伴い、地区防災計画制度が創設されました。地区防災計画制度は、「市町村内の一定の地区の居住者及び事業者が行う自発的な防災活動に関する計画」で、地域コミュニティが主体となり、ボトムアップで地区の特性に応じた防災計画を作成することを通して、自助・共助を基盤とした防災活動を活発化させることを意図したものです。私達のプロジェクトで目指す防災福祉コミュニティは、地域の看護職等専門職パワーを活用し、この制度の理念を具現化するものです。

このプロジェクトのこれまでの取り組みと活動状況をご紹介することで、地域において防災福祉コミュニティが拡がる一助となることを願っています。

2024年10月

山口大学地域レジリエンス研究センター
防災・減災グループ副グループ長 保健衛生部門部門長 牛尾裕子

プロジェクト紹介

2021年より、宇部市をフィールドに、校区単位の「防災福祉コミュニティ」づくりの支援として、地域住民や行政等と協働し、「まちの減災ナース」の育成に取り組みました。「防災福祉コミュニティ」とは、災害巨大化と地域防災力低下による課題と少子高齢化などで生じる地域の課題をつながりのある現象として捉え、新しいコミュニティ形成によってこの課題を克服しようとするものです。

 「まちの減災ナース」とは、災害平穏期には、地域や地区の防災計画をふまえて行政担当者や住民と共に、看護の専門性を生かして減災活動に取り組み、災害発生時には、被災地域の住民の健康と生活を支援する役割を担う看護職で、日本災害看護学会が2018年度から指導者養成を開始し、学会認定指導者が育成を推進しています。

このプロジェクトでは「まちの減災ナース育成研修」を、小学校区などの地区範囲を設定し、設定地区内在勤または在住の看護職を対象に、地区の防災や福祉を担い手となっている住民の参加や協力を得て企画・開催することで、防災と福祉を統合したコミュニティづくりをねらいました。取り組みについては、EBI(Ebidence-Based Intervention根拠のある取り組み)を現場に根付かせるための戦略を明らかにする、実装研究のフレームワークをもとに計画、評価・改善を重ねてきました。このホームページでは、評価結果やまちの減災ナースの活動状況などを紹介します。

プロジェクトメンバー

  • 牛尾裕子(山口大学大学院医学系研究科地域看護学領域・教授)
  • 斎藤美矢子(山口大学大学院医学系研究科地域看護学領域・講師)
  • 緒方彩乃(山口大学大学院医学系研究科地域看護学領域・講師)
  • 村上祐里香(山口大学大学院医学系研究科地域看護学領域・助教)
  • 網木政江(山口大学大学院創成科学研究科・学術研究員、まちの減災ナース育成指導者)
  • 鶴田良介(山口大学大学院医学系研究科先進救急医療センター・センター長、教授)
  • 榊原弘之(山口大学大学院創成科学研究科建設環境系専攻・教授)
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お問い合わせ

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〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1
山口大学工学部 機械・社建棟B808号室

TEL:0836-85-9348

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