平成27年3月26日(木)に第2回スチューデント・リーダー・プログラム(SLP)「ジローさんの迫熱教室~できないを『デキル』に変わるには~」を開催した。第2回SLPでは、新日鉄住金ソリューションズ(株)の中澤二朗 人事部専門部長(山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)外部評価委員)を講師としてお招きし、参加者と熱い議論を交わした。

 冒頭、林透 大学教育センター准教授より、本プログラムの趣旨説明があり、本プログラムのなかに組み込まれているアクティブ・ラーニングの要素について述べられた後、積極的な学びを通して、自身の内面にある「できない」を「デキル」に変わることを期待する挨拶があった。

 次に、人文学部2年 古谷涼さん(YC.CAMメンバー)から「~できないを『デキル』に変わるには~」と題して、プレゼンテーションがあり、高校時代から現在に至るまでに「自分が勝手に決めた壁・限界」(できない)をどのように転換し、挑戦の場を海外へと移していったのかについて意見表明があった。続いて、理学部1年 井本圭祐さん(YC.CAMメンバー)から同様のテーマでプレゼンテーションがあり、中学時代の限られた環境から、高校、大学へと進むにつれて、より多くの人々との出会いやこれまでにない機会を得て、自身の能力の向上や社会的な成長を感じており、少しずつでも「できる」を実感しているとの意見表明があった。

 次に、新日鉄住金ソリューションズ(株) 中澤二朗 人事部専門部長を講師として「ジローさんの迫熱教室in山口大学」を行った。迫熱教室は、講師が参加者に一方的な講義をするタイプではなく、講師と参加者、参加者間で熱い議論を展開する授業スタイルである。講師を「ジローさん」、参加者を「○○ちゃん」などニックネームで呼び合うことで、場の雰囲気がなごみ忌憚のない意見の交換ができる教室となった。迫熱教室は、あえて、第2回SLPのテーマになっている「デキル」「できない」に焦点を当てず、より周辺的な話題や自身の過去や現在を見つめ直すことで明らかになる論点などから議論が進められた。参加者同士の議論も白熱し、するどい質問と明快な応答が交差する知的な空間を感じることができるものであった。デキルとできないを考える際に、主目的を達成することによって得られるデキルは、あくまでも想定しえるデキルであり、目的を設定する当初には思いもよらなかった副次的な部分によってもたらされるデキルが、自身の本当の成長につながるという主旨の議論が展開された。

 最後に、林透 大学教育センター准教授より、クロージングの言葉として、「世界や社会にいつも驚きを感じ、過去・現在・未来に問いを発信し続ける力」を学生時代に涵養することの重要性が述べられた。

  

 平成27年3月10日(火)に第1回スチューデント・リーダー・プログラム(SLP)「学生参画型FDってなに?~大学教育を楽しくするには~」を開催した。スチューデント・リーダー・プログラム(SLP)は、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)事業の一環として位置づけられている学生の参画を進める上で、学生が事業に参画する際に必要になる知識や能力を学生自身が身につけ、他の学生にとってリーダーとしての役割が担えるようになることを目的とする、全学生を対象とした新たな正課外教育プログラムである。第1回SLPでは、富山大学 大学教育支援センターの橋本勝 教授(山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)アドバイザー)を講師としてお招きし、講師と参加者、参加者同士で活発な意見交換が行われた。

 冒頭、林透 大学教育センター准教授より、本プログラムの趣旨説明があり、本プログラムがYU-AP事業の一環である正課外教育プログラム開発に位置づけられる取組である事が述べられた後、アクティブ・ラーニングの度合いをみることができるALポイント認定制度を活用したシラバスフレームの紹介があった。

 まず、富山大学 大学教育支援センター橋本勝 教授より、「学生と楽しむ学生参画型FDの極意、教えます」と題して、講演があった。この講演では、講師の経験に基づいた学生参画型FDの極意について、講師ならではのウィットに富んだ表現を交えることで、終始楽しい雰囲気のなかで話が展開された。途中、2~3名のグループに分かれたグループディスカッションもあり、参加者同士の意見交換が行われ、積極的な学びの場の形成が行われた。学生参画型FDの極意は、1.あまり真面目になり過ぎない、2.前例を作る、3.他大学をヒントにする、の極意3箇条にまとめられ、自然体で活動を進めていくことの有意義さについて述べられた。

 次に、理学部3年 杉元茜さん(YC.CAMリーダー)と経済学部2年 奥田真也さん(YC.CAMメンバー)から、「山口大学における学生参画型取組の紹介~山大のデキルを創ります~」と題してプレゼンテーションがあった。2人からは、2013年よりはじまった学生が大学の教育改善に関わる各種の取組(学生参画型FD)について紹介があり、全国各地での交流や新メンバーの加入などを通して、YC.CAMという活動母体を構築し、活動の活性化が進められていることが述べられた。途中、参加者同士でのグループディスカッション(小グループ)を行い意見交換が行われ後、YC.CAMの今後の抱負が語られた。

 続いて、参加者全員が車座になりグループディスカッションが行われた。トークテーマを特定せず、発表者への質問・意見やグループディスカッションでの発言者との応答など参加者同士で活発な意見交換、議論が行われた。まず、大学教育における楽しさについて議論がされ、大学での学びは楽しくあるべきなのか、そして学びにおける楽しさとはどのようなものかについて意見が交換された。また、大学の学びを語る上で避けることのできない単位制度について学生たちの率直な思いが語られた。さらに、学生参画型FDの進め方として、学外で得たものをどのように学内に反映するのかについて議論が交わされた。

 最後に、林透 大学教育センター准教授より、クロージングの言葉があり、現実の学生がどのような学びを大学で行っているのか、それぞれの学びのあり方を共有しあうことで、新しい気づきがあり、より良い学びが創出されることが期待できるということが述べられた。