9月28日(月)午後、創基200周年記念・共育ワークショップ2015「みんなで山大の教育(共育)について語ろう!」は、同大学の教員・職員・学生66名を集め、総合図書館・アカデミックフォレストにて開催された。冒頭、岡 正朗 学長より開会挨拶があり、会場一杯に集まった参加者に向けてエールを送り、教職学協働によるシラバス提案への期待を述べられた。また、林 透 大学教育機構大学教育センター准教授より、本ワークショップは教員・職員・学生による共育の場づくりを目的としていること、さらには、本学の教育理念である「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」に基づいたシラバス提案を狙いとしていることについて趣旨説明があった。

 前半では、曽根健吾 横浜国立大学 大学教育総合センター助手より、『大学での学びを変える、学生が変える』と題して基調講演があり、参加者同士のアイスブレイクを挟みながら、授業に関心を持てない学生が相当数存在する現状の中で、学ぶことにより関心を持つことで、大学生活そのものが充実し、自らの成長に繋がることを伝えるとともに、学生時代を過ごした東洋大学での学修支援、現在の横浜国立大学での学生発案型授業を紹介しながら、学生と教職員が協働して教育改善を行うことで大学教育を変えられると訴えた。その後、グループワークセッションに移り、林 透 大学教育機構大学教育センター准教授による「シラバス設計の事始め」と題したオリエンテーションを経て、グルールワーク『あったらいいな、こんな授業』「みんなでシラバスを作成してみよう!」では、教員・職員・学生協働の10チームがシラバス作成とグラフィック・デザインに挑んだ。

 後半のポスターセッションでは、5グループごとの2班に分かれ、班ごとで各グループがシラバス及びグラフィック・デザインの内容を発表し、各班でのベストシラバスを選んだ。その後、各班から選ばれたベストシラバスの2グループが全体発表を行った。今回は、教職学協働チームが一緒になって発表する風景が印象的であり、「山口探検し隊」「コミュニケーションが世界を変える!」「タメグチ○○検定」「空き家政策学」など、学生自らが関心テーマを設定するオーダーメイド型、地域をフィールドした実地型の授業科目が目立ち、共通点が感じられた。最後に、纐纈 厚 理事・副学長より閉会挨拶があり、「共育」の言葉が定着したことに触れながら、本ワークショップで試みられた学生発案を取り入れた授業設計・実践への期待が述べられた。

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 9月30日(水)に、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)FD・SDワークショップ「授業科目シラバスから作成するルーブリック―観点別到達目標を活かして―」を、教員・学生の合同にてアクティブ・ラーニング教室(共通教育棟15番教室)を活用して開催された。冒頭、朝日 大学教育センター長より開会の挨拶として本ワークショップの趣旨説明があり、ルーブリックの作成と実際のルーブリック活用を通して、よりよくルーブリックの効果を実感できるワークショップ体験であるとの説明があった。

 第一部 イントロダクションとして、星野 国際総合科学部 講師(大学教育センター主事)より、「授業設計を助けるルーブリックの特徴と効果」と題して報告があった。近年の大学教育改革にともない授業の再設計が求められ、より有効な授業設計のツール、または、成績評価のツールとしてルーブリックが挙げられることが述べら れた。続けて、山口と世界を事例として、コモンルーブリックとそれを学部、授業に対応させるローカライズについて説明があった。本ケースのコモンルーブリックでは「発見する」「はぐくむ」「かたちにする」「分かちあう」「振り返る」の5つの規準と国際総合科学部のDP(ディプロマ・ポリシー)との擦り合わせについても紹介があり、最後に、ツールとしてのルーブリック活用の範囲について言及があった。

 次に、第二部 グループワークとして、林 大学教育センター准教授のファシリテーションのもとルーブリック、ルーブリックを成績評価に活用するまでの手順などについて説明があり、参加者のセルフワークとしてレポート採点のためのルーブリック作成を行った。続いて、作成したルーブリックをレポート採点に活用し、他の参加者との違いや共通点などについて共有が行われ、ルーブリックの効用について参加者が実感している姿を見ることができた。また、本ワークショップに参加した学生は、自身の正課外教育活動を通して得られる能力、育成したい観点などを挙げてルーブリックを作成し、全体に発表を行った。続いて、第三部 リフレクションとして、野村 教育学部 教授(大学教育センター主事)よりシラバス充実・教員授業自己評価を含めた本ワークショップへのコメントが述べられた。

 最後に、朝日 大学教育センター長より閉会の挨拶として、さらなる大学教育改善の一歩としてルーブリックが活用されることの期待感が述べられた。

  

 平成27年9月29日(火)に第6回スチューデント・リーダー・プログラム(SLP)「学生参画型FDとピアサポートの今を語ろう!~YC.CAMによる成果報告~」が開催された。第6回SLPでは、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)事業の一環にもなっている"学生の声"をより反映させるための一つの取組として活動しているYC.CAMメンバーによる学外活動についての成果報告を行った。

 本SLP前半部では、大学教育センター 林透 准教授より、第6回SLPシラバスに基づき、今回のねらいや特に重視しているポイント(涵養するべき、教育理念に基づく汎用的能力)について説明があった。続いて、岡山大学、追手門学院大学、広島大学でのイベント参加者より報告があった。最初の報告では、岡山大学 学生・教職員教育改善専門委員会主催「i*See」」について、84名の参加者が大学のグローバル化をメインテーマに全体とグループでの議論を通して、学生にとって本当に必要なグローバル化について意見を出し合ったことが報告された。次に、追手門学院大学 学生FDパレット主催「学生FDサミット2015夏」では、64大学から約500名の教員・職員・学生が参加をし、パネルディスカッションや、グループでの議論が行われたことが報告された。また、YC.CAMが作成したアクションプランが主催者及び参加者の投票にもとづいた優秀アクションプランに選出されたことも紹介された。最後に、広島大学 高等教育研究開発センター主催「シンポジウム『大学と学生』」について、ピアサポートの意義と課題、各大学の事例などについて活発な議論がなされたことが報告された。

 後半部では、曽根健吾 横浜国立大学 高等教育研究開発センター助手よりコメントとアドバイジングが行われた。まず、「i*See」報告については、大学の制度やサポートだけに問題があるのかという問いかけや、グローバル化にいかに対応していくかではなく、グローバル社会のなかでいかに主体的に自分自身を活かしていけるのかという観点が重要になることが指摘され、全体で意見交換を行った。次に、「学生FDサミット2015夏」報告については、より多くの教職員を活動に巻き込み関心をもってもらうための取り組みについてや、自大学と他大学の活動や組織の違いを客観的に捉えることが必要であることが述べられ、全体で議論を行った。最後に、「シンポジウム『大学と学生』」報告について、学生による学生のニーズ調査の必要性や学生同士での支援(ピアサポート)活動に取組むものの姿勢について全体での意見共有を行った。参加した学生からは学外活動で得た気づきや学びを学内での活動に最大限に活かし、さらに山口大学の発展に貢献していきたいとの意気込みが語られた。